厚生労働省は医療機関が健康保険に請求する医療費が適切かどうかを審査する審査支払業務について、健康保険が委託先の法人を選択できるようにするという記事が載っていました。業務独占を見直し、審査を担う法人の競争を促すことで、効率化を後押しするのが狙いといいますが、この程度で効率化が推進されるのでしょうか?

医療費の審査支払業務は厚労省が所管する「社会保険審査報酬支払基金」と、市町村が運営する「国民健康保険団体連合会(国保連)」の2法人が独占的に担っています。

健康保険組合や協会けんぽ等の被用者保険は支払基金、市町村国保は国保連に審査を委託する仕組みです。

厚労省は年内にも通知を出し、健保組合から国保連への委託など、2団体の双方に委託できるようにします。相乗りを認めて審査法人の競争を促し、手数料の引き下げや過剰な審査費請求を見つけ出す審査能力の向上につなげるのが狙いです。

しかし、果たしてこれで本当に審査能力の向上につながるのでしょうか?過剰な請求がないかどうかに加えて、医療の品質、サービス力等を審査する仕組みがあっても良いのではないかと思うのです。

2時間待たされて、診察時間1分、多くの患者が長期間待たされている現状や、血液検査をしただけで、高額の管理料を請求される等、実際の現場に直面するともっと請求金額が適切であるかどうか、そして競争を促す仕組みがあっても良いのではないかと思ってしまうのです。