無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2012年08月

昨日、あるエリアにて、地域訪問歯科支援センターの代表とお会いしました。又、本日も訪問歯科のドクターとお話をする機会がありましたが、歯科医師の先生方が急速に在宅系施設との連携を深めているように思います。

私共の小規模型のローコスト住宅でも地域の訪問ドクターとの連携は不可欠です。小さな施設であるだけに、看護師を常駐させることができません。できれば24時間体制で、往診をしてくれるドクターとの提携が必要となります。

従来はどちらかというと在宅療養支援診療所のドクターとの提携は真っ先に行うのですが、歯科については住宅型有料老人ホームは必須条件にはなっていない為に、先ずは在支診のドクター、次に近隣の歯科ドクターとの連携をするというのが通常のパターンでした。

昨日お会いした訪問歯科支援センター様は訪問歯科の御紹介だけではなく、在支診ドクターや訪問調剤も含めたパッケージでの支援体制を構築しようとしておられました。これは我々のような住宅型有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅にとっては大変ありがたい提案となります。

月に2000円程度の自己負担で歯科医師並びに歯科衛生士による訪問歯科診療を受けることができるとなれば、これは高齢者にとっても大変価値のあるサービスとなるのではないでしょうか。

これから在宅志向が強まるにつれて、口腔ケアの重要性が増してきます。できれば経管栄養等はしたくない、直接自分の口から食べ物を摂取したい、その強い思いが高齢者にはあります。

誤嚥等の問題もありますが、きちんとした口腔ケアを行うことで、できるだけ在宅での生活を維持することが望ましいと考えます。それ故に、訪問歯科診療所の位置づけが高齢者住宅において重要性が増してきております。今後連携強化を図って参りたいと思います。

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8月26日の沖縄タイムスに下記の記事が掲載されていました。

「家族、施設、病院がそれぞれ補完し合いながら、介護の「社会化」を進める方向で、安心して老いることができるセーフティーネットを構築すべきだ」

というのが結論ですが、まさにその通りだと思います。介護の社会化を進めるためには中間施設(中間的居場所)としての高齢者住宅の建設が不可欠と考えます。
皆さんはどう思われますでしょうか?
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介護が必要な認知症のお年寄りが2012年に300万人を超え、65歳以上の10人に1人の割合となることが、厚生労働省の推計で明らかになった。進行し続ける高齢化と、医療機関への受診が進んだためという。

10年時点のデータを基に推計したもので、団塊世代が70代となる20年には400万人を超えると予測する。02年のデータに基づく従来の推計では10年に208万人、20年に289万人と見込んでいた。

想定を大きく上回るスピードで認知症患者が増えていることが分かる。これだけ大幅な上方修正を迫られたのだから、対策を急がねばならない。

認知症患者の急増に対応する厚労省の施策の柱は、看護師や作業療法士らによる「認知症初期集中支援チーム」の設置、かかりつけ医と連携し早期診断をする「身近型認知症疾患医療センター」の整備などだ。

自治体に設置する支援チームのメンバーが家庭を訪ねて家族から話を聞き相談に乗るほか、センターの医師が病院や介護施設に出向き治療やケアに当たる。変化にいち早く気付くことで精神科や介護施設に頼らず、自宅で生活できるケアの強化を目指す。

重度の患者に対する「事後的な対応」が主だったこれまでの対策から転換を図るもの。認知症になっても住み慣れた地域で暮らすという考えは、誰もが望むところだろう。

現状に目を移そう。

10年時点で、在宅で介護を受けている認知症高齢者は5割にとどまっている。残り半分は、特別養護老人ホームや医療機関、老人保健施設などに入所・入院。入院中の患者の多くは、精神科病床で過ごす。

住み慣れた家や地域でという方向はもちろん間違っていない。しかし在宅ケアの流れを推し進めているのは、どちらかというと医療・介護の財政問題だ。

実際、認知症患者の退院後の生活を支える施設は足りず、訪問診療や訪問看護など在宅ケアを可能にする仕組みも不十分、介護に疲れた家族の相談に乗るといった地域の結びつきも弱い。

高齢者の単身世帯や夫婦だけの世帯の急増、介護の担い手となる子どもの数の減少など家族の変容を考えると、24時間見守りが必要な認知症高齢者の在宅ケアには限界がある。

政府は新しい高齢社会対策大綱で「人生90年時代」を提唱する。85歳以上では4人に1人に症状が現れる認知症という病気とどう付き合い、どう支えていくのか、本気で取り組まなければならない。

仕事を持つ介護者には働きながら介護できる仕組みを、施設はいやだが家族に迷惑をかけたくない高齢者には中間的居場所を、地域で支えるには共同体に代わる新たな枠組みを示す必要がある。

家族、施設、病院がそれぞれ補完し合いながら、介護の「社会化」を進める方向で、安心して老いることができるセーフティーネットを構築すべきだ。
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機能強化型在支診・在支病について注目が集まっています。在宅療養支援診療は平成18年に制度化され在宅診療において手厚い診療報酬がつくようになりました。平成22年には全国で1万2500ヵ所まで増えたものの、年に1人以上を看取る在支診は半数に止まるといわれています。

先生が1人のクリニックや診療所ではどうしても、手が回らずに我々の施設でも思うように対応ができていない所があります。今年から下記の機能強化型の在支診の制度ができました。是非、今後について期待をしたいと思いますし、そのような医療機関との連携を深めていきたいと思います。

機能を強化した在支診・在支病の施設基準は以下の通りです。

1 従前の在支診・在支病の要件に以下を追加する。
 イ 所属する常勤医師3名以上
 ロ 過去1年間の緊急の往診実績5件以上
 ハ 過去1年間の看取り実績2件以上

2 複数の医療機関が連携して1の要件を満たすことも可とするが、連携する場合は、以下の要件を満たすこと。 イ 患者からの緊急時の連絡先の一元化を行う
 ロ 患者の診療情報の共有を図るため、連携医療機関間で月1回以上の定期的なカンファレンスを実施
 ハ 連携する医療機関数は10未満
 ニ 病院が連携に入る場合は200床未満の病院に限る

在宅医療の普及には24時間体制といつでも訪問できる体制が不可欠と考え、在宅療養支援診療所制度における24時間対応機能を強化させる目的で機能強化型在支診(在支病)を設定しています。

複数医師体制の地域の在宅医療の核となる在支診(在支病)の評価を上げ、更に在宅療養支援診療所同士もしくは在宅療養支援診療所でない医療機関との連携でも24時間対応を強化すれば、機能強化型在支診(在支病)と同等の評価が得られるように設定されています。

今後複数医師体制を目指していく医療機関や地域での連携のネットワークでの24時間対応の様々な連携方法が模索されていくと思われます。

機能強化型在支診(在支病)の施設基準には過去1年間の看取り実績2件以上と明記されています。これは、従前の在宅療養支援診療所の50%以上が看取り実績ゼロというデータの基に、看取り数を在支診(在支病)のアウトカムとして重視しようという考えのようです。

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高齢者住宅新聞から【全国トップ3】介護施設・高齢者住宅 運営居室数ランキング2012が発表されました。昨日に続きランキング第3位のニチイ学館の状況を最後にご紹介します。
(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2012年8月5日号)
これまでの内容をみてわかりますように、上位3位は旧モデルの介護型有料老人ホームやグループホームに大きく依存をしているのがわかります。メッセージは積極的に新モデルへ転換を図っているように思います。
これからの新モデルの開発如何により勢力地図は大きく変わっていくことになるでしょう。

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順位 3位2011年順位 3位
法人名 ニチイ学館所在地 東京都千代田区
代表者名 齊藤正俊社長
総件数 346件
総居室数 10,466室


主なブランド名 ニチイケアセンター、ニチイホーム等

介護付有料老人ホーム(件数) 197件
介護付有料老人ホーム(居室数) 5843室

住宅型有料老人ホーム(件数) 2件
住宅型有料老人ホーム(居室数) 100件
グループホーム(件数) 243件
グループホーム(居室数) 4337室

他の高齢者住宅
(高専賃・分譲マンションなど)(件数) 3件
他の高齢者住宅
(高専賃・分譲マンションなど)(居室数) 126室
関連法人施設居室数(件数) 1件
関連法人施設居室数(居室数) 60室
売上高 2573億4000万円(連結・平成24年3月期)

備考 <居宅含め総合戦略>介護付有料老人ホーム、グループホームなど29棟1100室以上増加し1万室を突破。在宅介護部門は訪問介護事業所を約40ヵ所、デイサービスを20ヵ所以上拡大。居宅サービス利用者は約13万9000人(平成24年6月時点、ケアプラン除く)
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高齢者住宅新聞から【全国トップ3】介護施設・高齢者住宅 運営居室数ランキング2012が発表されました。昨日に続きランキング第2位のベネッセの状況を紹介します。
(コンテンツ提供:高齢者住宅新聞2012年8月5日号)

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順位 2位2011年順位 1位
法人名 ベネッセホールディングスグループ
所在地 東京都渋谷区
代表者名 小林仁社長
総件数 225件
総居室数 11,644室


主なブランド名 アリア、グラニー&グランダ、くらら、まどか、ボンセジュール
介護付有料老人ホーム(件数) 209件
介護付有料老人ホーム(居室数) 10974室

住宅型有料老人ホーム(件数) 13件
住宅型有料老人ホーム(居室数) 602室
グループホーム(件数) 2件
グループホーム(居室数) 18室
関連法人の施設数(件数) 1件
関連法人の施設数(居室数) 50室

売上高 665億3900万円(平成24年3月期)

備考 <カンパニー制導入>有料老人ホームの運営が主力。今回も介護付有料老人ホームを中心に17棟・約900室開設。今後は住宅型有料老人ホームの開設も増加。今年4月にグループのボンセジュールをベネッセスタイルケアに合併。またエリアごとに開発を行うカンパニー制を導入
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