無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2013年10月

認知症ケアのノウハウを学ばねばなりません。ご利用者本位、ご家族本位、そして事業者本位、我々のケアはあくまでもご利用者本位でなければなりません。

ついつい現場ので介護が受け入れられないときにはご家族本位、施設本位にに切り替えてという姿も見え隠れします。それではいけません。認知症の方々の問題行動に正面から取り組んでゆかねばなりません。

フランスの認知症ケア「ユマニチュード」が注目をされているようです。優しさを伝える技術について学びたいと思います。
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◆「ユマニチュード」と呼ばれる、フランスで生まれた認知症ケア(介護)が最近、日本で注目され始めている。暴れるなど介護が難しかった人も穏やかに受け入れるため「優しさを伝える技術」とも言われる。仏で講習を実施している協会の日本支部が来月、設立される。離職率が高い介護現場の救世主となるか。

◆ユマニチュード(Humanitude)は、人(humain)であることを尊重するという意味の仏語の造語。8月、生みの親で介護教育に長年携わるイブ・ジネストさん(60)を招いた大規模な講習が東京都内の病院で開かれた。

◆看護師の関口冬子さん(28)が学んだ技術を使って、重い認知症がある女性入院患者にシャワー浴を試みる。以前は悲鳴を上げ拒むこともあったが、この日は終始穏やかなまま「ありがとう」と感謝した。かつてはベッドから立ち上がることも難しかったのに、そばにいたジネストさんとダンスまで踊り、周りを驚かせた。

◆女性を変えた「魔法」は何か。関口さんはケアに入る前にベッドにいた女性に正面から近付き、目と目の高さを合わせて見つめ、優しく体に触れた。認知症で視野が狭まった女性を驚かせず、自分の存在を認識してもらうためだ。シャワーの時も女性と向き合ったまま視線を外さない。「きれいな髪ですね」と優しく言葉をかけ続けた。体を洗うために触れる部位も事前に伝え、不安を感じさせないようにした。関口さんは「患者さんの反応がまったく違った」と手応えを語った。

◆ジネストさんは「優しい人間になることは難しくても、優しさを伝える技術なら習得できる」。ケアが難しい患者に身体拘束や精神薬投与を行い「寝たきり」の状態を生んできた悪い流れを変えることもできる。研修を受けた看護師の田村里佳さん(32)は「認知症の人への看護に悩んで親友が看護師を辞めた。この技術があれば辞めなかったのではないか」と語る。

◆ユマニチュードは、国立病院機構東京医療センター(東京都目黒区)の本田美和子医師が2年前に渡仏して学び、日本に持ち込んだ。本田医師は来月、日本支部となる一般社団法人を設立し、準備が整い次第、講習を受け付ける予定だ。問い合わせは本田医師(honda‐1@umin.ac.jp)。
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引受サポート事業を開始していますが、今回、全国のエルスリー施設と提携をし、身元引受事業を大々的に展開することになりました。

エルスリーも現在既に40施設を超え、500名を超えるご入居者様を抱えております。最近、ご入居者様の身元引き受けに関わる相談が増えてきたこともあり、サポート協会にて本格的な身元引受の取り組みを始めたものです。

無縁社会の到来と云われる今日、次のようなお悩みを抱える高齢者の方が増えております。

・身元引受人となる親戚や知人がいない
・身元引受人はいるが、実際に施設を訪れ、諸手続きを行うことが難しい
・親戚や知人はいるが、負担をかけたくない
・親戚知人への連絡や家財処分、行政手続きなど煩雑な手続きを事前に専門家に頼んでおきたい

これらの要望に応えるために、エルスリー入居者サポートプランをご提案させて頂きます。

ご入居から亡くなった後まで、入居者の皆様の生活に必要な保証・手続をワンストップサービスとして様々なサポート業務を行って参ります。

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介護:担い手不足が問題 離職者は年24万人
毎日新聞 2013年10月29日

介護事業の担い手不足が顕著な問題となっています。離職率は17%、年間24万人の離職者となっています。国はいつまでこの実体を放置していくのでしょうか?介護保険抑制が目的でしょうか?
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超高齢社会を迎えた日本はケア(介護)の担い手不足が問題化している。

公益財団法人「介護労働安定センター」が2012年度に実施した調査によると、介護職員の離職率は年約17%。全国の離職者数は年約24万人に上ると推計されている。

低賃金など背景はさまざまだが、ケアの難しさから精神的に追い込まれる問題も指摘されている。

また、公益社団法人「日本看護協会」の調査によると、病院看護職も09年の推計で年10万人以上が離職しており、介護・看護両業界で人材確保が課題になっている。
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利用ゼロの介護施設も=厚労省に是正要求-検査院

下記の記事がニュースで流れていました。交付金を受けている255か所の施設で平均利用率が50%を切っているというものです。

最近の行政の指導は日に日に厳しさを増しております。その一方で、行政が認めた施設(交付金受給施設)において、このような状況はいかがなものでしょうか? 力を入れるべきところを誤っているのではないでしょうか?この責任は誰が取るのでしょうか?

◆厚生労働省の交付金を使って整備された地域の拠点となる介護サービス事業所や小規模介護施設の利用状況を会計検査院が調査したところ、25都道府県の255カ所で平均利用率が50%を切っていたことが22日、分かった。開所以来まったく使われていない施設も8カ所あった。

◆検査院は、255カ所に対する交付金約43億円は効果が上がっていないと指摘。市町村などが介護サービスの需要を把握する必要性を十分認識していなかったことや、利用者への周知が足りなかったことが原因だとして、厚労省に適切に指導するよう是正を求めた。

(2013/10/22)
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介護施設不足、大都市と「広域合併」で 10月20日産経ニュース(論説委員・河合雅司氏)
 
1人暮らし高齢者の増加が増加し、大都市部での介護施設不足が問題となっています。激増する都市部の高齢者に対して、抜本的な対策が求められています。

産経ニュースからその要点を拾ってみます。

◆2020年の東京五輪開催が決まり、日本中で盛り上がりを見せているが、「2020年」は五輪の開催年としてだけでなく、日本人の記憶に刻まれる年となりそうだ。この年をピークに、東京でも人口減少が始まるからだ。

それは、東京が高齢者であふれることを意味する。2010年から2025年の15年間に75歳以上が最も増えるのは東京だ。123・4万人から197・7万人へと74・3万人もの激増となる。

◆東京で高齢者が激増

高齢者数の激増は大阪や愛知など大都市圏を抱える府県に共通する。高齢者の激増で問題となるのが介護である。大都市はビジネス中心の効率性を追求した街づくりを行ってきており、介護の基盤整備が遅れているからだ。

施設整備率は低く、在宅サービスも整っていない。家族や地域の支援をあてにしようにも、3世代同居の割合は低く、交際関係は職場中心という人が少なくない。しかも、地方に比べ介護職種の人材確保が困難ときている。

そうでなくとも全国的に高齢者の1人暮らしが増える。2030年には75歳以上世帯の38・7%が単身者、夫婦のみ世帯も30・5%となる。

◆政府の対策

政府は、医療・介護を「病院完結型」から「地域完結型」へとシフトさせていく方針だ。現在8割近い人は病院で亡くなるが、高齢者が激増すれば病院のベッド数が追いつかなくなる。だからといって、簡単にベッド数を増やすわけにもいかないからだ

政府は、特別養護老人ホーム(特養)の入所要件も「要介護3」以上の中重度者に限定しようとしている。認知症が増えることも考えると、かなり手厚い訪問サービスがなければ無理である。

◆現実的でない「在宅」

家族がいても、働いていたり、高齢夫婦のみで世話をする人がいなければ1人暮らしと大差はない。「施設から在宅へ」という政策転換は、理屈では正しいが、現実が追いついていないのである。

厚労省は対応策として、団塊世代が75歳以上となる2025年をめどに、自宅をベースとして、医療機関や介護サービス、生活支援や介護予防事業などが一体的に提供される「地域包括ケアシステム」を構築する考えだ。

高齢者が激増する大都市については、有識者検討会が、人口密度が高く交通網が発達した「都市部の強み」を生かし、24時間定期巡回サービスやサービス付き高齢者向け住宅、空き家を活用した安価な低所得者向け住宅の整備を促す報告書をまとめた。

急増する大都市の介護ニーズに応えるには、これらのアイデアを含め、考えつくことはすべてやることだ。

◆地方との“広域合併”で対応を

大都市と地方の自治体が介護を通じた“合併”を図ることである。

大都市は、提携する地方の自治体の行政全般に対して、人的、財政面を含め全面支援する。働き盛り世代が地方の高齢者を手助けするボランティア制度など、住民同士の交流も積極的に図る。

これに対し、地方の自治体側は、土地提供をはじめ大都市の住民向けの介護施設整備に協力する。1人暮らしや高齢夫婦のみ世帯が多い大都市では施設を必要とする人が増えるが、高地価で簡単に整備できない。交流を深めた自治体の土地に建設することで待機者を減らすのである。

一方、人口減少が深刻化する地方にとっても、大都市との提携はメリットが大きい。都道府県の枠を超えた「21世紀型の広域行政」となる。
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