無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2019年04月

たった一つの町の調査ですので全国の数字を推測するのは無理があると思いますが、ひきこもりの比率が半端ではありません。内閣府調査は64歳までを対象に「ひきこもり状態になって6カ月以上」の人数を推計していますが、青森県藤里町社協が調べたのはシルバーバンク(高齢者就労支援事業)の対象にならない55歳未満で、なおかつ「2年以上」働いていない町民なのです。 内閣府調査ではひきこもり人口100万人と推測されましたが、藤里町のデータから推測されるのは500万人となります。全国調査でも、アンケートではなく訪問調査で対象世帯の実態を調べれば驚くような数字が出てくる可能性があるのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ひきこもりは100万人ではなく500万人?
Yahoo!ニュース2019.4.29
 秋田県藤里町は人口3200人、65歳以上が43.6%と全国平均(26.6%)を大きく上回る「高齢化した地方」の典型です。そんな町で2010年2月、ひきこもりと長期不就労者の実態調査が行なわれました。

藤里町社協の調査の特徴は、ひきこもり状態か否かにかかわらず、「18歳以上55歳未満で、(学生や専業主婦などを除いて)定職をもたずに2年以上経過したひとすべて」を把握しようとしたことと、地域からの情報提供を受けてソーシャルワーカーが「あなたのお宅に、ひきこもっているお子さんがいらっしゃいますよね?」と一軒一軒確認したことです。

一人暮らしの老女の家に音信不通だった息子が帰ってくる、認知症になった親の介護のために娘が仕事を辞めたが再就職できない……こうした話はよく聞くものの、調査を率いた社協の事務局長は、その人数を20人か、多くても30人と見込んでいました。ところが1年半におよぶ調査の結果、高齢化が進んだこの小さな町になんと113人もの「ひきこもり(長期無業者)」がいたのです。

対象年齢に占める「ひきこもり」比率は8.74%、男性が女性の約2倍で、40歳以上が半数ちかくにのぼることも明らかになりました。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

青森県の生活保護世帯の動きは日本の高齢化と保護化の動きを象徴するものではないでしょうか?生活保護世帯数が23年ぶりに減少に転じたと言われますが、人口に対する保護率は上昇、受給世帯の6割が高齢者と全国水準を超えています。地方都市における、人口減、高齢化、そして保護率アップの傾向は地方になればなるほど顕著になっています。生活保護世帯数の減少は必ずしも評価に値するものではありません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
県内の生活保護世帯数が減少
陸奥新報2019.4.27
 2018年度に県内で生活保護を受けた世帯(月平均)は2万3975世帯で、前年度から90世帯減ったことが26日、県健康福祉政策課のまとめで分かった。1996年度から22年連続で増加を続けていたが、減少に転じた。受給者(同)は341人減り、過去5年で最少の2万9593人。人口1000人当たりの受給者の割合を示す保護率は1989(平成元)年以降では過去最高の23・40‰(パーミル)で、前年度より0・02ポイント増加した。受給世帯は65歳以上の高齢者が全体の約6割を占め、増加傾向が続いている。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

日本では長生きすればするほど年金だけでは生活ができず、資産不足のリスクが高まります。アメリカでは高齢期に幸福度が高まるに対して、日本では加齢に比例して幸福度が下がるという不幸な結果です。制度設計が誤っていると言わざるを得ません。人生最後の幸せを得るためのマネジメント設計は決して容易ではありません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
人生100年時代のライフデザインを考える──長寿時代のライフマネジメント
Forbes JAPAN2019.4.27
 日本は超高齢社会を迎えている。それは長寿社会、すなわち長生きできる時代の到来を意味するものだ。2017年の日本人の平均寿命は、男性81.09歳、女性87.26歳になった。これだけ寿命が長くなると、退職後に過ごす高齢期を単なる「余生」などと言うわけにはいかない。

内閣府「平成20年版国民生活白書」には、日米を比較した「年齢による幸福度の推移」グラフが掲載されている。アメリカでは高齢期に幸福度が大きく上昇する一方、日本では加齢とともに幸福度が下がっている。

その理由は明らかではないが、日本の高齢者には年金をはじめとした社会保障制度に対する不安やひとり暮らしによる社会的孤立のおそれなどがあるのかもしれない。いずれにしても、日本には長寿高齢化によりこれまで想定もしなかった社会的課題が生じている。

そのためわれわれはあらたな人生のリスクを抱えるようになり、長寿時代のリスクマネジメントが必要になっている。人生100年時代に幸せな人生を送るためには、定年後に過ごす想像以上に長い時間をどのように生きるのかが、きわめて重要な課題なのである。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

長野県は全77市町村中、70市町村(90%)で高齢化率が30%を超えました。県全体の高齢化率も31.85とほぼ3人に1人が高齢者という県になりました。1年間で1万3135人人口が減少、すごい勢いで人口減少と高齢化が進行しています。高齢化第1位の市町村は下伊那郡天龍村の63.5%で驚異的な高齢者の町となりつつあります。消滅都市が着実に日本を襲っています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
77市町村のうち70市町村が高齢化率30%以上 県内4月推計
信濃毎日新聞2019.4.28
 県は26日、毎月人口異動調査に基づく4月1日時点の年齢別人口推計を発表した。77市町村のうち、高齢化率(65歳以上の割合)30%以上が初めて70市町村に達し、県全体の高齢化率も31・8%で過去最高を更新した。県内総人口(年齢不詳を含む)は、2018年4月1日時点から1万3135人減の205万2033人となった。

 高齢化率が最も高かったのは下伊那郡天龍村で63・5%。2位以下は同郡根羽村の53・9%、下水内郡栄村の52・3%、下伊那郡大鹿村の49・4%など。77市町村のうち40%を超えたのは、前年同期と同じで22町村だった。

 最も低かったのは上伊那郡南箕輪村の23・5%。30%を切ったのは同村を含む7市町村のみだった。18年4月1日時点では10市町村だったが、新たに長野市、茅野市、南佐久郡川上村が30%台に入った。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「この30年、女性の貧困が進み、今後もアンダークラスに転落する人は増え続けるだろう。そしてそれは、女性や、立場や力が弱い人たちだ」女性セブン2019年5月2日号
昭和までの日本社会は「資本家階級」「中間階級」「労働者階級」に分かれていたが、今やその下に「アンダークラス階級」が誕生し、その数はおよそ930万人、就業人口の14.9%と社会の一大勢力になりつつあります。このクラスの平均年収は186万円、貧困率は37.8%、女性の貧困率は50%、この現実を我々はしっかりと見据えねばなりません。マスコミがこの社会的事実を報道しません。
・・・・・・・・・・・・・・・・
抜け出せないアンダークラスの恐怖 介護離職を機に中間層から転落も
マネーポスト2019.4.27
 昭和までの日本社会は、『資本家階級』、『中間階級』、『労働者階級』の3つに分かれると考えられてきた。しかし近年は、労働者階級の内部に巨大な裂け目ができ、極端に生活水準の低い非正規労働者の新しい下層階級=『アンダークラス』が誕生している。

 アンダークラスの数はおよそ930万人に上り、就業人口の14.9%を占め、社会の一大勢力になりつつある。平均年収は186万円で、貧困率は38.7%と高く、特に女性の貧困率はほぼ50%に達しているという。

 金持ちの子はより金持ちになり、貧乏人の子はより貧乏人に、そして貧困家庭に生まれた子はアンダークラスに落ちてしまう。「貧困の連鎖」は止められないのが、今の日本の社会構造だ。親から子供へ、世代を超えて「階級の固定化」が深刻な問題となっている。

中央大学文学部教授の山田昌弘さんは、女性ほど貧困に陥るリスクが高まりやすいと指摘する。

「せっかく正規で働いていても、女性は子育てのために一度辞めざるを得ない人がほとんど。産休、育児休暇などの制度はありますが、日本企業の傾向として、一度退職したり非正規雇用になると、大企業には戻りにくい。そのため、もともと貧困層の人だけでなく、中間層にいる人もアンダークラスに陥る可能性は大いにあります。特にアラフォー世代でその傾向は高い」

アンダークラスに落ちないために気をつけるべきことは何か。山田さんが話す。

「まずは病気にならないこと。自分だけでなく、家族が病気になった場合も、一気にアンダークラスに落ちる可能性があります。会社を辞める時もよほど慎重になるべき」

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ