無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2019年11月

子供の貧困の実態を把握するための指標に政府は「ひとり親の正規雇用割合」を加えた。子供の貧困に非正規雇用が影響していることを認めたことになる。事実、ひとり親家庭の親の非正規雇用割合は55.6%と過半数を超える。過去1年間に食料が買えなかった経験をしたひとり親世帯は34.9%、衣服を買えなかったひとり親世帯は39.7%である。これが今の日本の実態。安倍首相は子どもの貧困対策会議で「貧困対策は未来を担う子どもたちへの投資だ。手を緩めることなく、新たな大綱に基づいた対策を推進していく」と述べたが、具体性のある新機軸は示されなかった。
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子どもの貧困対策、指標39項目に 親の正規雇用割合を追加
中日新聞2019.11.29
 政府は二十九日、貧困家庭の子どもへの今後五年間の支援方針をまとめた「子どもの貧困対策大綱」を閣議決定した。貧困の実態を把握するための指標に「ひとり親の正規雇用割合」などを加え、三十九項目に増やした。「貧困の連鎖を断ち切るために子どもの現在および将来を見据えた対策を実施する」と表明。早期の対策や自治体の取り組みを充実させるとした。

ひとり親家庭の親の正規雇用割合は母子家庭が44・4%、父子家庭が69・4%だった。過去一年間に食料が買えなかった経験をしたひとり親世帯は34・9%、衣服を買えなかったひとり親世帯は39・7%だった。

 安倍晋三首相は閣議に先立って官邸で開いた子どもの貧困対策会議で「貧困対策は未来を担う子どもたちへの投資だ。手を緩めることなく、新たな大綱に基づいた対策を推進していく」と述べた。

 貧困を改善させる具体策に関しては、既存の施策や実施決定済みの内容を並べるにとどまった。

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世界でも例を見ない「超高齢化社会」に突入する日本には、個人が高齢社会でどう生きるかというデザインシンキング(考え方)においてその準備ができていないという指摘。果たしてそうでしょうか?介護のみならず、医療も含めて社会保障費の抑制のみが先行し、超高齢社会おける社会システムが描けていない状況で、個人に考えよというのも乱暴な話。日本は医療・介護保険が完備されている為に国への依存が加速というのは当てはまらない。むしろ、依存できない環境が加速度化しているのである。デザインシンキングが欠けているのは国家である。
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日本はある意味後進国。超高齢化社会には、デザインシンキングが欠けている
GIZMODO2019.11.29
 やがて誰もが当事者に。

世界でも、人類史上でも例を見ない「超高齢化社会」に突入した日本。今後その度合いがますます加速するのは周知の事実ですが、ではどう行動すべきなのか、きちんと意識している人は多くないかもしれません。

IBMが運営するWebメディアMugendai(無限大)では、テクノロジーデザインシンキングのプロフェッショナルが、「高齢化社会への心構え」を語ってくれていましたよ。

世界のどの国より「高齢社会」といえる日本。徐々にその環境も整備されつつあるのかな、などと勝手に思い込んでいたのですが、阿久津さんいわく「まだまだ、むしろ日本は遅れている」そうです。というのも、日本は医療保険介護保険が完備されていることで、むしろ国への依存が加速。「実際に自身が高齢となってからどう生きるか」について、多くの人が深く考えていないと指摘します。

たとえば福祉先進国であるデンマークでは、「リビングラボ」という共創活動が浸透していて、国民ひとりひとりが個人の生き方や国の財政なども含めて自分たちで老後の暮らしをデザインしていこうと考えています。それに比べると日本は医療も介護も「お上に与えてもらうもの」といった受け身の印象を感じます。

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これからの介護は、介助+介護の延長にあらず、脱介護に死活を求める時代という武内和久氏の意見には半ば賛成です。これは介助、介護を否定することではなく、その範疇を超えた領域に死活を求めざるを得ない(越境)というキーワードから今後の介護業界のあるべき姿を読み取ると、暗黙知から形式知への転換(介護を科学すること)、労働集約型から知識集約型への転換、人材育成のプラットフォームの形成という青写真が見えてきます。即ち、看護業界が時間をかけて作り上げてきた世界をいかに短期間で看護業界で作り上げることです。その青写真を明確に描かねばなりません。
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介護を「福祉」の枠組だけで考える時代は終わりました。これからの介護は社会全体で考えるプラットフォームです -「賢人論。」第105回(前編)武内和久氏

BLOGOS2019.11.29
 介護=介助+看護は、時代遅れ。「脱・介護」を。これからは教育・医療・地域など、さまざまな文脈の中で語られる時代

介護は業界内で自己完結するのではなく、多くの分野との「越境」を目指すべき

武内 私は厚労省時代、介護の制度を作ってきた側にいたから痛感しますが、国が制度を変えれば介護業界の体質が変わる、ということはありません。業界自らが進化することを期待します。これからの介護業界がより良い方向へ変わっていくためには、次の3つのキーワードが重要になるでしょう。

1つめのキーワードは「越境」です。
2つめのキーワードは「アートからサイエンスへ」です。
 介護業界に求められることは、個々の介護スタッフが蓄積している暗黙知を形式知へと転換し、かつ、学問として体系化すること。アートからサイエンスへの転換です。
3つめのキーワードは「自分が成長できる仕事」。
 先ほどの暗黙知・形式知の話とも重なるのですが、介護が学問として体系化されていないこともあり、介護従事者にとっては「自分のキャリアパスが見えない」「成長が実感できない」という課題も感じます。介護業界は、「人材」こそが資源であり、財産。それを磨き上げる文化と仕組みを今こそ業界を挙げて、つくらなければ間に合いません。


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介護の総合事業について最近話題になることが少ないが、厚労省が指定手続きや更新申請の簡素化に取り組む方針が示された。事務手続きもさることながら、様々な問題を抱える総合事業についての現状とその効果についていつ検証されるのでしょうか?全国的に事業者の撤退が指摘されている総合事業は存続可能なのでしょうか?事務簡素化で改善されるようなものではないでしょう。
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総合事業、指定手続きを簡素化 更新申請も1回で 厚労省 負担軽減へ方針
介護のニュースサイト Joint2019.11.29
 厚生労働省は介護現場の負担軽減に向けて、介護給付のサービス、予防給付のサービス、総合事業といった複数の指定を受ける施設・事業所について、役所への届け出などに伴う事務の簡素化を図る方針だ。

類似の書類を一本化するほか、介護給付のサービスなどで既に指定を受けているところを対象として、総合事業の指定申請にかかる手間を最小限で済むようにする。バラバラの指定開始日を1つにまとめることも認め、6年に1度の更新申請で全て事足りるようにしていく。

厚労省はこのほか、総合事業の指定申請・報酬請求に伴う書類の全国的な標準化にも取り組む考え。
 
今は国の様式例が存在せず、それが多様なローカルルールを生み出す一因となっている。作成すべき様式例の範囲や優先順位を来年度中に検討し、その後の具体化につなげたいとしている。
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巷では高齢者医療の自己負担増は不可欠という世論が形成されつつある。琉球新報は「誰でも年を取れば高齢者になる。負担と給付の問題は国民一人一人に突き付けられた課題だ。一部の人たちの主張だけを聞いて判断するなら拙速のそしりを免れない」と高齢者への配慮は不可欠だと主張する。賛成です。我々は好き好んで医療を受けるのではない、高齢になればなるほど、治療を受ける機会が増えていくのは避けられない。人は高齢になり、死に至るまでには4~5回の入退院を繰り返して最後は死を迎えると言われる。それを自己責任と言わんばかりに相応の負担を求められる社会が本当に幸せな社会であろうか。
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<社説>75歳以上医療負担増 高齢者への配慮不可欠だ
琉球新報2019.11.29
 75歳以上の後期高齢者が支払う医療費の窓口負担を現在の原則1割から原則2割へと引き上げる方向で政府が本格的な検討に入った。

 74歳の人が75歳に到達した後、そのまま2割負担を維持してもらう案や、75歳以上全員を2割にする案があるという。どちらにしても、医療へのニーズが高い高齢者に対する厳しい仕打ちだ。
 本来、治療を必要とする人が経済的な理由で受診を控える事態を招きかねない。少なくとも経済的弱者に配慮する仕組みが不可欠だ。幅広く国民の意見を聞きながら、多角的に検討する必要がある。

厚生労働省の発表によると、2018年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費(概算)は前年度を約3千億円上回る42兆6千億円に達した。団塊世代が後期高齢者に入り始める22年度以降、さらに膨張すると見込まれる。
 1人当たりの医療費は、75歳未満の22万2千円に対し、75歳以上は93万9千円で、4倍を超える。高齢になると、どうしても体に変調を来しやすくなる。医療機関を受診する機会が増えるのは避けられない。
 75歳以上の医療費の4割は現役世代が払う健康保険料からの支援金で賄われている。後期高齢者の負担を増やすのは世代間の公平性を確保するためだという。そうした政府の考え方を無批判に受け入れていいのだろうか。

医療制度改革では、年齢に関係なく患者の窓口負担に一定額を上乗せする「ワンコイン負担」制度の導入も論点として上がっている。
 国民全体の外来受診は年間約21億回。徴収額が一律100円なら年2100億円、500円なら年1兆円規模の窓口負担増が予想される。財政的にはプラスになるが、日本医師会などが反対し、導入は厳しい情勢だという。

誰でも年を取れば高齢者になる。負担と給付の問題は国民一人一人に突き付けられた課題だ。一部の人たちの主張だけを聞いて判断するなら拙速のそしりを免れない。

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