
医療業界から訪問介護基本報酬引き下げに対して懸念の声が上がっている。政府が安易な引き下げを行うことについて、各界から非難の声が上がっている。
地方の中小零細の訪問介護事業者の経営は厳しい。同じように地方の在宅医療は訪問介護との連携で成り立っているので、訪問介護の点数が引き下げられ、その結果、更に訪問介護事業所の倒産や廃業が増えると、当然、地域医療は成り立たなくなる。そのことを指摘しているのである。
日本医師会も今回の引き下げは、「訪問介護の収支差率がたまたま高かったことで基本報酬が適正化された」との見方を示した。その見方は正しい。これまでも述べてきたように収益の改善は補助金や経費削減による一過性のものであるという認識である。
それを政府は構造的な問題として報酬を引き下げるという安易な決定に皆が怒っている。どうしてももっと医療、介護業界全体の意見を聞かないのか。本当に政府は傲慢である。この付けは大きく後になって国民負担になって帰って来るであろう。
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「訪問介護がなくなると破綻する」 日本医師会、基本報酬引き下げの影響を懸念
介護のニュースサイト Joint 介護報酬改定 2024.1.25
日本医師会は24日に記者会見を開き、22日に全容が決まった来年度の介護報酬改定について見解を表明した。【Joint編集部】
この中で江澤和彦常任理事は、訪問介護の基本報酬が4月から引き下げられることに懸念を示した。 直近の「経営実態調査」で訪問介護の収支差率が高水準だった(*)ことを念頭に、「経営実態調査の収支差率に基づいて判断されたという印象を強く持っている。
訪問介護の収支差率がたまたま高かったことで基本報酬が適正化された」との見方を示した。 そのうえで、「訪問介護は介護分野の中でも、職員の人材不足が最も著しいサービス。在宅医療はホームヘルパーさんの生活の支えがあってこそ継続できる。訪問介護がなくなると容易に破綻する」と指摘。「基本報酬の引き下げの影響を今後もしっかり注視していくべき」と主張した。