無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2024年01月

次のターゲットは住宅型有料やサ高住














 訪問介護を正当な理由なく減算にし、次は訪問介護を利用した介護外付けモデルである住宅型有料やサ高住中がやり玉に挙げられる。   

これまでも同一建物減算で利用者が50人以上ということで減算対象となっていたものが、今度は規模の対象にかかわらず、全体の9割以上であれば高い減算、12%減算を適用することに決めた。   

 これまでも①事業所と同一の敷地、隣接する敷地の建物でなくても、1つの建物に居住する利用者が1月20人以上の場合は10%減算であった。

そして、②同一敷地内、隣接敷地内建物の場合は1月50人以上の場合は15%という縛りがあったのが、③今回は人数の縛りを取って、9割以上の割合でサービスを提供する場合は12%減算となるのである。   

整理をすると同一敷地内、同一建物でなくても1つの建物に居住する利用者が20人以上の場合は10%削減され、同一敷地内、同一建物の場合は人数制限にかかわらず、9割以上に対してサービスを提供しておれば12%削減されるということである。同一建物の場合はほぼ10%減算が12%減算へと拡大することになる。50人以上の場合は15%削減されることになるのでそのダメージは大きいと言える。

これでほぼ住宅型老人ホームやサ高住の場合は減算にひっかかることになる。 サ高住を作った際の一体型サービスとは一体何だったのか?つぎはぎらだらけの介護報酬改定は辞めてもらいたい! 
  
 更に、これに加えて今回の改定で訪問介護報酬が減額となるというダブルのマイナスとなるのである。施設系サービスをテコ入れし、居宅系サービスを減額する。これが今の政府の方針である。一体、これまでの介護の理念は一体どこにいってしまったのか?

【介護報酬改定】訪問介護の同一建物減算を拡充 4月から 併設・隣接の集合住宅の割合も考慮 具体策決まる JOINT介護のニュース 2024.1.24

訪問介護の同一建物減算の見直し


























 22日の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、来年度の介護報酬改定の全容を決定。その中に同一建物減算の要件の厳格化を盛り込んだ。年度内に告示する。 新ルールは以下の通り。これまでは同一の敷地、隣接する敷地の建物に住む利用者の人数が指標だったが、新たに「人数の割合」に基づく評価が導入される。

訪問介護の同一建物減算は、ホームヘルパーらの移動の距離・時間の短さ、業務負担などを考慮して設定されているもの。施策の狙いは、有料老人ホームやサ高住などに住む利用者の給付の適正化だ。

現場の関係者の間では、集合住宅の利用者ばかりを対象とする訪問介護の囲い込みのビジネスモデルを念頭に、「公平性に欠ける」との不満が根強い。

厚労省は今回、同一の敷地、隣接する敷地の建物に住む利用者が50人以上でなくても、全体の9割以上であれば高い減算を適用することに決めた。4月から施行する。
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令和6年度の介護報酬改定は全体で+1.59%となりましたが、そのうち0.98%は介護職員の処遇改善分が含まれており、基本報酬に振り分けられる改定財源は+0.61%分となります。

全体でプラスなのは評価ができますが、問題なのは訪問系の介護報酬が軒並み減算になるということです。一体なぜなのでしょうか?

近年、通所介護事業所も訪問介護事業所も赤字事業所の割合が増えています。令和5年1月及び3月付けの独立行政法人福祉医療機構(WAM)の経営状況レポートによると、通所介護事業所(一般型)の46.5%、訪問介護事業所の40.1%が赤字経営です。これが現在の介護事業項構造的な問題なのです。そのような状況で何故減算するのでしょうか?
介護報酬引き下げ

 














注目したいのは訪問系サービスの収支差率です。政府の報告によれば、2023年度は訪問介護で7.8%、訪問看護で5.9%、訪問リハビリは2021年度決算時のマイナスからの急速なV字回復で9.1%となっていること、定期巡回・随時対応型に至っては11.0%と、全サービス中唯一の二桁収支差率となったからというのがその理由です。

反対に収支差率では、特養ホームと老健がマイナスに転じ、介護医療院はわずかながらプラスとはなったものの、対2021年度決算からマイナス4.8%の下落と、施設系サービスの経営状況は極めて厳しくなっているので、こちらは引き上げざるをえないという論法です。一見すればもっともらしいのですが、これは数字のマジックで、本質的な改善には全くなっていないのではないでしょうか。
次回、更に深堀をしてみたいたと思います。
老人福祉施設の介護報酬改定


















特定施設介護報酬改定
















老健介護報酬改定



















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高齢者紹介事業淘汰の時代














紹介会社の数も増大、紹介事業は成熟期に入り益々競争が激化、新規施設の開設は頭打ちとなり入居紹介事業は淘汰の時代に入っていることが推察される。

施設・居住系サービスの計画値と実績値を比較すれば、近年急速に供給件数に陰りがでているのがわかる。高齢者施設の需要と供給のバランスが崩れてきている。施設の開発件数が抑制されれば、当然、入居対象者が絞られる。一方、紹介会社はその数を増加させ、結果、競争が厳しくなってきているのは間違いない。
高齢者施設の計画と実績














高住連のホームページ(https://koujuren.jp/search.php)
によれば、現在400を超える事業者が紹介会社として登録している。船井総研によれば未登録業者を考えれば、その3倍(約1500社)ほどはあると考えられている。 船井総研は競争が激化する紹介会社や施設の生き残りをかけての対策を次のように提案している。 「集客基盤を作る方法より」

①多種多様な紹介先を提案できる➡老人ホーム紹介1事業所あたりの対応範囲は約5000床と言われています。1施設あたりの定員数を50とすると約100施設を提案できるという事になります。

②困難事例にも対応できる➡夜間のたん吸引など24時間看護が必要な方、生活保護の方、身寄りのない方などの困難ケースの相談が発生した場合でも断る事なく、対応可能な介護施設を提案する事ができ、専門職からの信頼を勝ち取る事ができます。

③対応スピードが早い➡老人ホーム紹介業は専任の営業マン(相談員)が在籍しており、ケアマネジャーや相談員から問い合わせを受けたその日に施設を提案し、見学日まで確定させるスピード対応を実現させています。

➡上記の実現にむけて、身元引受人として当協会も全力を挙げてサポートをさせて頂きたい。
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上智大学社会福祉学科栃本教授により、身元保証事業のビジネスモデル分析がなされているので紹介をしたい。
論文】市場化する社会保障・社会福祉と身元保証制度からみる消費者保護の在り方についての覚書   栃本 一三郎(社会福祉学科教授)より抜粋

 栃本教授の調査分析により、現状の身元引受サービスのビジネスモデルのあり様が示されている。 教授は4つのタイプに事業者を分類している。
1.独立型 2.身元保証+生活支援型 3.準包括パック型 4.包括パック型 となる。

1.独立型・・・身元保証人になることのみを事業
2.身元保証+生活支援型・・・転院等手続きのフォロー、緊急時の病院への駆けつけ、治療方針・     ケアプラン等の説明への同席、病院等への外出の付き添い、日常的な見守り、金銭管理・支払い   代行などの生活支援を別途用意している。
3.準包括パック型・・・身元保証人になることとその他の生活支援がほぼパックとなっている
4.包括パック型・・・すべてを包括している   
身元引受パッケージの特徴




























 教授の報告では一番多いのが身元保証+生活支援型(12事業者)であり、二番目が準包括パック型(5事業者)、三番目が包括パック型(4事業者)となっている。

 一番多い身元保証+生活支援型では確かに身元保証と生活支援型の両方を対象としているが、金銭管理や支払い代行は制限があり、緊急支援対応にもバラツキがある。   

 流石に保証のみを行う独立型は少ないと思われるが、大勢を占めているのが身元保証と生活支援のパッケージで、金銭管理等を中核に据えての包括パック型(フルパッケージ型)はまだ少ないのではないかと推察される。  
 
 只、栃本教授も記載しているように必要に迫られて始めた事業もあるが、ビジネスモデルはかなり確立されつつある、という認識あ正しいのではないかと思う。  
 
 我々も必要に迫られて始めた身元引受事業ではあるが14年経って、ほぼそのビジネスモデルが確立されたきたのではないかと自負している。  
 
 後はこのモデルをどのように普及させるかである。  
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家族消滅国家














 日本は世界一の超高齢国家になっていることは皆さんが理解していると思うが、もう一方で世界で最も早く「家族消滅国家」となりそうであることも理解して頂きたい。 

少子化対策しても「家族消滅」に向かう日本の現実やがて日本は「超高齢独身国家」となる運命
東洋経済オンライン2024/01/14 
 従来一般的であった夫婦と子世帯は1970年には全世帯数の中で41%を占めていましたが、2020年には25%へと減り、2040年には23%に減少し、代わりに単身世帯は39%になると予測されている。   

 実に4割の世帯が単身世帯という「家族消滅国家」となるのである。夫婦子供で暮らしていた家族の風景が、一人暮らしの風景に代わっていく、そのような時代になっているのである。65歳以上の高齢者人口より、未婚と離別死別を併せた独身人口は約4930万人と大幅に高齢者人口を上回っているのである。
 私が大変危惧しているのはこのような状況下に社会があることをマスコミも国も世に知らしめていないことである。今ある社会のシステム自体が「家族を中心とした社会」を前提にしていることであり、「家族消滅社会」を前提にしたシステムへの転換が全てにおいて遅れているのである。   

 昨日も報告をしたように、70歳を超えると銀行振り込みも制限がかかってしまう。高齢の預金者が一人でお金を降ろしに銀行に行けなければ誰が行うのか?代わりの預金を降ろしてくれる家族もいないのである。
  
 この一点において、日本の介護保険制度は20年経って限界を迎えている。介護の社会化と言いながら、社会化が進まず、家族に頼らざるを得ない現状の介護制度では、既にベースとなる家族が崩壊する中で機能するはずがないのである。介護保険制度を補完する身寄りの仕組みが必要となる。
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