東京都や埼玉県などの首都圏において、住民の半数以上が65歳以上となる「限界集落(高齢化率50%以上)」の状態にある団地は、着実に増加しています。支援のスピードを上回る勢いで高齢化が進行しており、独居高齢者を始めとして、団地内に取り残される高齢者の数が急増しています。早急に官民挙げて支援のネットワークを構築せねばなりません。

限界集落になった東京の団地 自転車で住人の送迎を続けるのは84歳 |
毎日新聞2025/12/29
全国の注目を集めた成功例 :団地は、東京都武蔵村山市にある都営村山団地。1966年に入居が始まったこの都内有数のマンモス団地には2025年1月現在、約6000人が暮らす。 団地が完成した当初、住民は若い家族連れが多かったが、高齢化が進み、足腰が弱くなって買い物に困る人が増えた。このため、団地内にある商店街の店主らでつくる中央商店会などが09年に始めたのがこの自転車送迎だ。
鵜木さんはサービス提供当初から関わる。 高齢化対策の成功例として注目を集め、全国の自治体や商工会などから視察が相次いだ。メディアにも好意的に取り上げられた。この団地における65歳以上の住民の割合は53%に達し、75歳以上の後期高齢者の割合は38%を超える。都内にありながら、住民の半数以上が高齢者という「限界集落」の定義にあてはまる。
送迎サービスの利用者は1日数人ほど。大半は後期高齢者だ。後期高齢者を乗せた自転車を、同じ後期高齢者が送迎のためにこぎ続ける――。団地で当たり前となっているこの光景は、高齢化が止まらない日本の一つの現実でもある。【川上晃弘】 当初、運転手を務めていたのは団地で「若手」とされた60~70代の男性たちだ。しかし今、団地で暮らしながら運転手をしているのは鵜木さんと、80歳の男性の計2人と後期高齢者が後期高齢者を支えている。
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かつての「ニュータウン」が「オールドタウン」化し、特定のエリアでは地方の過疎地と同様、あるいはそれ以上のスピードで高齢化が進んでいるのが現状です。
限界集落化している団地の数と現状2020年の国勢調査などのデータに基づくと、東京23区内だけでも「町丁目」単位で15カ所以上が限界集落に該当すると判明しています。これらの中には、大規模な都営団地や公団住宅(UR)が含まれるケースが目立ちます。
具体的に高齢化率が高い主な団地・エリアの例は以下の通りです。
エリア(町名) 高齢化率(2020年頃) 特徴
・大田区東糀谷6丁目 約64.0% 都営住宅が密集する
・世田谷区大蔵3丁目 約60.9% 都営大蔵団地などがある
・北区桐ケ丘1丁目 約58.9% 大規模な都営桐ケ丘団地が所在
・埼玉県鳩山ニュータウン:約50% 超民間開発の大型分譲地(一部街区)
埼玉県においても巨大な団地が限界集落化してきています。
埼玉県内のマンモス団地である「三郷団地」と「武里団地」は、いずれも1960年代〜70年代にかけて誕生した大規模住宅群ですが、高齢化の進行状況にはそれぞれ特徴があります。
1.武里団地はすでに「限界集落」の定義(高齢化率50%以上)に限りなく近い状態にあります。 武里団地(春日部市)武里団地は、埼玉県内でも特に高齢化が深刻な団地の一つとして知られています。高齢化率:約50%前後(推計)2024年に公表された資料(春日部市による説明)によると、入居者の高齢化率は50%に近い値に達していると言及されています。
かつては約2万人が暮らしていましたが、現在は7,000人台まで減少。市の平均的な高齢化スピードを10年以上先取りしている状態です。独居高齢者の数は1,500人~2000人と推定されています。現状:空き室の増加が目立ち、団地内の商店街もかつての活気を失っています。
2.三郷団地(三郷市)三郷団地は、武里団地に比べるとわずかに高齢化率は低いものの、それでも非常に高い水準にあります。高齢化率:約40%〜45%程度(推計)三郷市全体の高齢化率は約7%(2023年時点)ですが、三郷団地が含まれるエリア(彦成地区など)は、市平均を大きく上回るペースで高齢化が進んでいます。
築50年以上が経過している住棟が多く、2030年には40%を大きく超えることが確実視されています。かつては2万3000人いた人口も現在では14,800人と大幅に減少、独居高齢者の数は1000人以上と推定されています。
まとめ
里団地約50%実質的な限界集落といえる段階、三郷団地約40〜45%予備軍(2030年代に50%到達の可能性)両団地ともに、孤独死対策や「買い物弱者」への支援が喫緊の課題となっています。特に武里団地のようなケースでは、もはや「若返り」だけでは解決が難しく、高齢者が安心して最期まで暮らせる「都市型介護コミュニティ」への転換が模索されていますが、問題なのはこの介護コミュニティ自体維持できなくなりつつあることです。病院や施設入居を含め、総合的な支援のネットワークの構築が急がれます。


