無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2025年12月

都会の限界集落が問題となっています。限界集落の定義とは、住民の半数以上が高齢者ということです。今回、東京都武蔵村山市にある都営村山団地の高齢者が後期高齢者を支える事例が毎日新聞で取り上げられていますが、首都圏の団地で限界集落化している事例が増えてきています。

東京都や埼玉県などの首都圏において、住民の半数以上が65歳以上となる「限界集落(高齢化率50%以上)」の状態にある団地は、着実に増加しています。支援のスピードを上回る勢いで高齢化が進行しており、独居高齢者を始めとして、団地内に取り残される高齢者の数が急増しています。早急に官民挙げて支援のネットワークを構築せねばなりません。
支援行き詰まり













限界集落になった東京の団地 自転車で住人の送迎を続けるのは84歳 |

毎日新聞2025/12/29 
  全国の注目を集めた成功例 :団地は、東京都武蔵村山市にある都営村山団地。1966年に入居が始まったこの都内有数のマンモス団地には2025年1月現在、約6000人が暮らす。 団地が完成した当初、住民は若い家族連れが多かったが、高齢化が進み、足腰が弱くなって買い物に困る人が増えた。このため、団地内にある商店街の店主らでつくる中央商店会などが09年に始めたのがこの自転車送迎だ。

鵜木さんはサービス提供当初から関わる。 高齢化対策の成功例として注目を集め、全国の自治体や商工会などから視察が相次いだ。メディアにも好意的に取り上げられた。この団地における65歳以上の住民の割合は53%に達し、75歳以上の後期高齢者の割合は38%を超える。都内にありながら、住民の半数以上が高齢者という「限界集落」の定義にあてはまる。

送迎サービスの利用者は1日数人ほど。大半は後期高齢者だ。後期高齢者を乗せた自転車を、同じ後期高齢者が送迎のためにこぎ続ける――。団地で当たり前となっているこの光景は、高齢化が止まらない日本の一つの現実でもある。【川上晃弘】 当初、運転手を務めていたのは団地で「若手」とされた60~70代の男性たちだ。しかし今、団地で暮らしながら運転手をしているのは鵜木さんと、80歳の男性の計2人と後期高齢者が後期高齢者を支えている。

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かつての「ニュータウン」が「オールドタウン」化し、特定のエリアでは地方の過疎地と同様、あるいはそれ以上のスピードで高齢化が進んでいるのが現状です。

限界集落化している団地の数と現状2020年の国勢調査などのデータに基づくと、東京23区内だけでも「町丁目」単位で15カ所以上が限界集落に該当すると判明しています。これらの中には、大規模な都営団地や公団住宅(UR)が含まれるケースが目立ちます。

具体的に高齢化率が高い主な団地・エリアの例は以下の通りです。
 エリア(町名)   高齢化率(2020年頃) 特徴
・大田区東糀谷6丁目 約64.0%   都営住宅が密集する
・世田谷区大蔵3丁目 約60.9%   都営大蔵団地などがある
・北区桐ケ丘1丁目  約58.9%   大規模な都営桐ケ丘団地が所在
・埼玉県鳩山ニュータウン:約50%  超民間開発の大型分譲地(一部街区)

埼玉県においても巨大な団地が限界集落化してきています。
埼玉県内のマンモス団地である「三郷団地」と「武里団地」は、いずれも1960年代〜70年代にかけて誕生した大規模住宅群ですが、高齢化の進行状況にはそれぞれ特徴があります。

1.武里団地はすでに「限界集落」の定義(高齢化率50%以上)に限りなく近い状態にあります。 武里団地(春日部市)武里団地は、埼玉県内でも特に高齢化が深刻な団地の一つとして知られています。高齢化率:約50%前後(推計)2024年に公表された資料(春日部市による説明)によると、入居者の高齢化率は50%に近い値に達していると言及されています。

かつては約2万人が暮らしていましたが、現在は7,000人台まで減少。市の平均的な高齢化スピードを10年以上先取りしている状態です。独居高齢者の数は1,500人~2000人と推定されています。現状:空き室の増加が目立ち、団地内の商店街もかつての活気を失っています。

2.三郷団地(三郷市)三郷団地は、武里団地に比べるとわずかに高齢化率は低いものの、それでも非常に高い水準にあります。高齢化率:約40%〜45%程度(推計)三郷市全体の高齢化率は約7%(2023年時点)ですが、三郷団地が含まれるエリア(彦成地区など)は、市平均を大きく上回るペースで高齢化が進んでいます。

築50年以上が経過している住棟が多く、2030年には40%を大きく超えることが確実視されています。かつては2万3000人いた人口も現在では14,800人と大幅に減少、独居高齢者の数は1000人以上と推定されています。

まとめ
里団地約50%実質的な限界集落といえる段階、三郷団地約40〜45%予備軍(2030年代に50%到達の可能性)両団地ともに、孤独死対策や「買い物弱者」への支援が喫緊の課題となっています。特に武里団地のようなケースでは、もはや「若返り」だけでは解決が難しく、高齢者が安心して最期まで暮らせる「都市型介護コミュニティ」への転換が模索されていますが、問題なのはこの介護コミュニティ自体維持できなくなりつつあることです。病院や施設入居を含め、総合的な支援のネットワークの構築が急がれます。
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特養の待機待ちが依然25万人超と厚労省から12月25日に発表されました。如何にもまだまだ待機待ちが多くて人気と言わんばかりですが、ではなぜ稼働率が全国平均でも約92%〜93%と採算ラインを切る95%を下げる結果になっているのでしょうか?その本質的な問題に迫ります。

物価高騰や人件費の上昇が重なり、直近では特養の約3割〜4割が赤字経営に陥っているというデータもあり、非常に厳しい局面を迎えています。問題点の本質を明らかにする必要があります。介護度を3以上にした為に、稼働率が落ちているという単純な問題ではありません。

原因としては次の3つが挙げられます。
①深刻な人手不足: ベッドの空きはあっても、ケアを行う介護スタッフが足りないため、「あえて入居制限(受け入れ停止)」をしている施設が増えています。

②入居者のニーズ変化と競合の増加: かつては特養一択でしたが、近年は「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」や「住宅型有料老人ホーム」など、選択肢が多様化し、入居者が分散しています。

③待機者数の減少: 特養の入居要件が「原則要介護3以上」に厳格化されたことや、在宅介護サービスの充実により、以前ほどの「数年待ち」という状況は解消されつつあります。

しかし、これらの要因の他に見落としてはいけない潜在的な問題があります。

それは待機待ちの半数近くが身元引受人がいない為に入れないという高齢者の増加です。
令和6年度東京都社会福祉協議会の「高齢者福祉施設協議会制度検討会資料」のデータでは東京都の特養の入居に際して約7割が身寄りの無い高齢者が増加していると答え、特養側が入居希望者に連絡を取っても、約48%(約半数)ものケースで、身寄りがない、あるいは連帯保証人が確保できないことが障壁となり、契約手続きがストップしてしまっています。即ち待機待ちの半数が身寄りの無い高齢者で入居が滞っているという事実があります。
待機待ちみよりなし

「入居拒否」ではなく「手続き不能」という問題

厚労省は身元保証がなくても受け入れよという。しかし、制度上は拒否できなくても、急病時の同意、死後の遺体引き取り、家財整理などの「実務」を担う人がいないため、施設側が「リスクを負いきれず、手続きを前に進められない」という停滞が発生しているのです。

待機者数「半減」と「身寄りなし」の相関は否定できません。
この10年で待機者数が半減(全国で約52万人→約25万人前後へ)した背景には、入居要件の厳格化(原則要介護3以上)に加え、「身寄りがないことによる申込・入居の断念」も潜在的な要因として含まれていると考えられます。

要因 稼働率低下の本質的な影響メカニズムは次の通り。
待機者の減少➡分母となる「入居したい人」そのものが減り、施設間の選別が始まった。
身寄りなしの増加➡申し込みはあっても、契約段階で脱落するケースが激増。結果として空室が埋まらない。
手続きの長期化➡成年後見人の選任には数ヶ月かかるため、その間ベッドが空いたままになる。


厚労省は待機待ちの減少の要因について、特養の計画的な施設整備が進んだことに加え、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、地域で受け皿となる施設が充実してきたことをあげました。あわせて、「地方部などでは少子高齢化がいち早く進行し、母数となる高齢者人口自体が減少に転じている」と説明していますが、本質的な問題点を先送りにしてきた結果ではなかったでしょうか。

介護保険が始まった2000年当時、厚労省の幹部は将来的には民間の高齢者施設等の増加により特養は廃止をすると言われていたことが今でも耳に残っています。

高齢者の増加と減少、民間有料老人ホームやサ高住の伸長、そして身寄りの無い高齢者の増加は全て予想されてきたことではないでしょうか。 それを放置してきた結果が今日の特養の稼働率の低下、そして赤字施設の増加につながっているとしか言いようがありません。それを只単に、待機待ちが減ったのは国の政策が正しかったと言わんばかりの短絡的な主張にあきれます。このままでは特養の存続そのものが危ぶまれます。

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特養待機者、減少傾向も依然20万人超 要介護3以上 在宅は8.6万人 厚労省調査 |
介護ニュース 2025年12月25日

 今年4月1日時点で、原則として入所対象となる要介護3以上の待機者数は20.6万人だった。3年前の前回調査(2022年度)から約4.7万人減り、減少幅は18.4%だった。 待機者のうち、在宅で待っている人の数は8.6万人。前回から約2.0万人(18.5%)減少している。

要介護度別の内訳では、要介護3が8.7万人で最も多かった。 特例入所の対象となる要介護1・2の待機者は、前回調査より約0.4万人少ない1.8万人。これらを合わせた待機者の総数は、約22.5万人となっている。

待機者数がピークに達していた2013年度は、特例入所の対象も含めた総数が52.4万人だった。依然として待機者は多いものの、その数は過去10年あまりで半数以下まで減少したことになる。

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※ 医療機関・地域包括支援センター・介護事業者・行政担当者の皆様へ
支援行き詰まり













①「こんなケースで止まっていませんか?」制度や善意だけでは、前に進まないケースがあります。

チェック形式(YES/NO)
• ☐ 身寄りがなく、入院・入居の判断が進まない
• ☐ 保証人不在を理由に受入を断られている
• ☐ 緊急時の連絡先がなく、対応に不安がある
• ☐ 金銭管理・契約・死後対応まで見通せない
• ☐ 後見制度を使うほどではないが放置できない
※ひとつでも該当すれば、 支援の「前提条件」が不足しています。

② 私たちが担っている役割
私たちは「介護サービス」ではありません 高齢者支援が行き詰まる多くの理由は、介護や医療の問題ではなく、「生活・意思決定・責任の引受先がないこと」にあります。私たちは、医療・介護・行政が機能するための前提条件を整える役割を担っています。

③実務対応フロー 対応の流れ(実務ベース)
1. 支援困難ケースのご相談
2. 状況整理(本人・関係機関・リスク確認)
3. 必要な支援範囲の設計
4. 医療・介護・行政と連携し対応開始
5. 継続的な見守り・調整・対応

※ 初期段階で「対応できない」と判断する場合もあります
※ 無理な受任は行いません

④ 官民連携
官民の役割分担を前提としています
私たちは、行政・医療・介護の代わりをする組織ではありません。 それぞれの役割を尊重しながら、制度では担えない部分を補完する立場です。 そのため、単独での完結ではなく、常に関係機関との連携を前提に対応しています。

⑤最終
支援が止まってしまう前に、ご相談ください 「まだ問題になっていないが不安」 「判断がつかず保留している」 その段階でのご相談が、最もリスクを減らします。

支援困難ケースを相談する(初期情報のみ・守秘厳守)➡https://ll-support.jp/参照
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首都圏の医療と介護は今や大きな変化を迎えています。一時期増加した施設開発の増加に伴う施設入居比率も、今や、施設開発の鈍化、介護人材不足の影響で施設の入居比率は鈍化し、その代わりに在宅で介護を受ける比率が増加傾向に拍車がかかります。独居高齢者の施設・病院を住まいとしている方々の比率や約5%に過ぎません。

「施設に入りたくても入れない」状況と「在宅への強制的な流れ」について現在の社会情勢、東京都および埼玉県の独居高齢者(65歳以上の単身世帯)における持ち家比率と軒数について、総務省の最新の統計調査(令和5年 住宅・土地統計調査)および直近の確定データに基づいた数値を検証してみました。

持ち家比率は埼玉県の方が高く、軒数(世帯数)は東京都の方が圧倒的に多いという結果になっています。


東京都と埼玉県の独居高齢者の持ち家状況

項目

東京都

埼玉県

独居高齢者の総数

92.3万世帯

45.2万世帯

持ち家比率

51.2%

65.8%

持ち家の軒数(推計)

47.3万軒

29.7万軒

数値は「令和5年住宅・土地統計調査」および「令和2年国勢調査」を基にした算出・推計値です。

独居高齢者は東京都で約51.2%,埼玉県で65.8%の持ち家で暮らしていることになります。いずれ、売却や空き家候補と言えます。

次に東京都と埼玉県の独居高齢者のうち、施設入居者の比率は何パーセントと推計されるかも調べてみました。

東京都と埼玉県の独居高齢者における「施設入居者」の比率について、国勢調査等の統計データに基づいた推計値をご案内します。

統計上、施設に入居している高齢者は「一般世帯(自宅住まい)」ではなく、「施設等の世帯」として分類されます。そのため、自宅で一人暮らしをしている「独居高齢者」とは別にカウントされますが、全65歳以上人口に占める割合として算出するのが一般的です。


施設入居者の比率(推計値)

65歳以上の高齢者人口全体のうち、老人ホームや介護施設などの施設(病院を含む)に入居・入院している人の割合は以下の通りです。その数は約5%に過ぎないのです。

地域

施設入居者の比率(推計)

施設入居者の数(概数)

東京都

4.8% 5.2%

16万 〜 17万人

埼玉県

4.5% 4.9%

9万 〜 10万人

「令和2年国勢調査」および厚生労働省の「介護保険事業状況報告」などを基に推計。「施設」には、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設、および病院の長期入院患者を含みます。



地域別の特徴と傾向

1. 東京都:施設数は多いが、在宅支援も充実

東京都は施設数そのものは全国最多ですが、地価が高いため入居費用が高額になりがちです。そのため、施設に入るよりも「住み慣れた自宅で、訪問介護などのサービスを利用しながら一人暮らしを続ける」独居高齢者が多いのが特徴です。

2. 埼玉県:施設整備が急速に進む地域

埼玉県は、かつて全国で最も高齢化のスピードが速いとされてきました。そのため、近年急速に有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の整備が進みました。東京都に比べると、郊外型の大規模な施設が多く、比率としては東京都とほぼ同水準、あるいはわずかに低い傾向にあります。


全体の構造

1.独居高齢者(自宅住まい)と施設入居者の関係を整理すると以下のようになります。

  1. 自宅住まい(独居): 25%30%(高齢者の約4人に1人が一人暮らし)
  2. 自宅住まい(家族と同居): 65%70%
  3. 施設・病院住まい: 5%

    このように、実際には「施設に入っている人」よりも「自宅で一人暮らしをしている人」の方が圧倒的に多く(約5〜6倍)、社会全体での見守りや在宅介護サービスの重要性が高まっています。

2.今後の首都圏の介護の実態とは?
「施設難民」と在宅の限界 独居高齢者が増え続ける一方で、受け皿となる施設の伸びが建築コストの増加と人員不足で鈍化すれば、当然「施設に入れない高齢者」は増加します。

• 特養の待機者問題: 依然として要介護3以上の重度者が優先されるため、比較的元気だが独居に不安がある層(要介護1〜2など)の行き場がなくなっています。
• 「隠れ待機者」の増加: 経済的な理由から高額な民間施設には入れず、かといって公的施設は空きがないため、やむを得ず在宅に留まっている「潜在的な待機者」が急増しています。

・「施設から在宅へ」の加速:危惧される点 国は政策として「施設から在宅へ」という方針を掲げていますが、これが事実上、独居高齢者にとって「在宅への追い出し」に近い形になっている側面は否定できません。

• 地域包括ケアシステムの現実: 住み慣れた地域で暮らすという理念の一方で、独居の場合、急変時の対応や24時間の見守りを「地域のボランティアや見守りサービス」だけでカバーするのは限界に来ています。
• 在宅の限界点の低下: かつては家族が担っていた「24時間の見守り」や「家事援助」をすべて外部サービスに頼らざるを得ず、利用限度額(支給限度額)を超えてしまうため、在宅生活を維持できないケースが増えています。
• 「独居×認知症」の増加: 独居で認知症を患う方が増えており、火の不始末や徘徊などのリスクを抱えながら、施設が見つかるまで在宅で凌いでいる危うい状況が加速しています。


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独立系居宅支援事業所の減少居宅支援事業は施設運営事業者や病院施設等が事業所を併設する機会が増えていますが、独立系の事業所の比率はどの程度と推定されるか、居宅支援事業の経営が厳しくなる中で施設や病院等の囲い込みが増えているのが大変気になります。

AIの分析によれば、現在の居宅介護支援事業所において、他サービス(訪問介護、通所介護、施設、病院等)を持たない完全な「独立系」の割合は、全体の約10%〜15%程度と推測されます。

1. 独立系事業所の比率と現状 厚生労働省の調査や関連団体のデータ(令和2年度前後の実態調査など)を統合すると、事業所の運営形態は概ね以下のようになっています。現在もこの状態は続いていると思われます。むしろ、独立系の方が希少価値があるという感じでしょうか。

併設型(約85%〜90%): 同一法人内で訪問介護、デイサービス、老人保健施設、病院などを運営。
独立型(約10%〜15%): 居宅介護支援のみを単体で行う。
かつては「ケアマネジャーの公正中立性」を担保するために独立系が推奨される向きもありましたが、現在は経営的な厳しさから、「単体での黒字化」が極めて難しい状況にあります。

2. なぜ「囲い込み」や「併設」が加速しているのか
懸念の通り、施設や病院による囲い込みは強まっています。これには構造的な背景があります。
背景要因 詳細 ・・・低い収益性 居宅介護支援の報酬(基本報酬)だけでは、人件費や家賃を賄うのがやっとであり、利益が出にくい構造です。

加算取得の壁 特定事業所加算などの高い単価を得るには、複数のケアマネ配置や24時間体制が必要で、小規模な独立系には負担が重いです。 経営の安定化 施設側にとっては、併設の居宅を持つことで「入居者の確保」と「退院後のスムーズな受け入れ」を一体化でき、経営効率が上がります。

3. 囲い込み問題への対策と現状 国もこの「囲い込み(自法人サービスへの過度な誘導)」を問題視しており、以下のような対策を講じています。

集中減算: 特定の事業所に紹介が80%を超える場合に報酬を減額する仕組み(ただし、正当な理由があれば回避可能)。

同一建物減算: 施設併設の事業所が、その施設の入居者にサービス提供する場合の報酬引き下げ。

情報公表の義務化: 利用者に対し、前年度にどの事業所をどれくらい紹介したかの割合を説明・掲示すること。

今後の展望
独立系の事業所は、経営は厳しい反面、「しがらみのない公正なケアプラン」を提案できるという最大の強みを持っています。

最近では、地域の複数の独立系事業所が連携して、24時間体制を共同で組むなどの「緩やかなネットワーク化」で生き残りを図る動きも見られますが、現状、独立系の居宅の生存率は限りなく低くなっているのではないでしょうか。

本来、利用者の立場からすれば、特定の施設に誘導されるのではなく、本人のQOL(生活の質)を最優先してくれる独立系や、中立性を維持しているケアマネジャーの価値は今後さらに高まっていくはずですが、環境は逆の方向に向かっています。次回はそのことによる弊害について述べて参ります。
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