無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

2026年01月

アンダークラスの高齢者問題














早稲田大学人間科学学術院教授の橋本健二氏が低賃金の非正規雇用労働者など「アンダークラス」と呼ばれる新たな階級が、1980年代以降の日本で生まれた背景と社会経済への影響、考えられる処方箋について下記の記事が掲載されました。

橋本教授の調査・推計によると、アンダークラスの構成は年々変化しており、特に高齢化が顕著に進んでいます。アンダークラスの高齢者問題について検証してみたいと思います。このままではアンダークラスの高齢者問題が日本の未来を奪うことになるのではないかと危惧します。

1. 高齢者の人数と割合2022年時点のアンダークラス(約900万人弱)の内訳において、高齢者の割合は以下のように推計されています。
高齢アンダークラス(60歳以上)の人数:約200万人〜250万人全体に占める割合:約25% 〜 30%
かつてアンダークラスは「就職氷河期世代(ロスジェネ世代)」を中心とした若年・壮年層のイメージが強かったのですが、現在は定年退職後に低賃金の非正規職(清掃、警備、軽作業など)に再就職する層が急増し、4人に1人以上が高齢者という状況になっています。

2. 世代別の構成(イメージ)アンダークラスの約900万人は、大きく3つのグループに分かれます。
カテゴリ特徴割合(目安)
高齢者(60歳以上)退職後の再就職、年金不足を補うために働く層約25~30%
中年層(40〜59歳)ロスジェネ世代を含む、固定化した非正規層約40~45%
若年層(15〜39歳)キャリア形成が困難な非正規層約30% と位置付けられます。

高齢アンダークラスが抱える深刻な実態が浮き彫りになっています。
高齢のアンダークラスは、現役世代のアンダークラスとは異なる特有のリスクを抱えています。
「年金」というセーフティネットの脆弱さ アンダークラスに属する高齢者の多くは、現役時代も非正規であったり、自営業であったりしたため、厚生年金の受給額が低い、あるいは国民年金のみというケースが目立ちます。 健康状態の悪化 統計によれば、アンダークラスは他階級に比べて「健康状態が良くない」と回答する割合が有意に高く、高齢になるほど医療費の負担が家計を圧迫します。 孤立化 未婚率の高さや、仕事以外での人間関係が希薄な傾向があり、いわゆる「孤立死」のリスクが最も高い層とされています。

アンダークラスの提唱者である橋本健二教授の分析や、人口動態統計(国立社会保障・人口問題研究所の将来推計)を照らし合わせると、高齢アンダークラスは今後「拡大」から「質の変化(深刻化)」*の局面へ向かうと予想されます。

2030年〜2050年:高齢アンダークラスの推移予測
2030年:量的拡大のピーク(ロスジェネ高齢化の始まり) 状況: 就職氷河期世代(ロスジェネ世代)の最年長層が60代に突入します。 特徴: アンダークラスの中で最も人口ボリュームが大きい「中年層」が、そのまま「高齢層」へとスライドし始めます。
予測: 高齢アンダークラスの人数は、現在の約200〜250万人から300万人規模へ拡大。非正規雇用のまま定年を迎える人が増え、年金未加入や低額受給が社会問題として表面化します。

2040年:質的深刻化のピーク(「2040年問題」との連動)
状況: ロスジェネ世代の多くが65歳以上の高齢者となり、団塊ジュニア世代も完全に高齢化します。 特徴: 親の世代(団塊世代)が亡くなり、これまでの「親の年金や資産に頼って生活していたアンダークラス」が、その支えを失います。 予測: 単身(独居)の高齢アンダークラスが激増します。
生活保護受給者が急増し、自治体の財政を圧迫するリスクが高まります。この時期、高齢アンダークラスは全体の約4割〜5割に達する可能性があります。

2050年:固定化された「超階級社会」 状況: 日本の総人口が1億人を大きく割り込む中、高齢者の割合が最大級になります。 特徴: 若い頃から一度も正社員になれず、資産形成もできなかった「一生アンダークラス」だった人々が、80代以上の後期高齢者層となります。

予測: 「アンダークラスの再生産(格差の固定化)」が完了し、社会的な階層移動がほぼ不可能な状態に。人数自体は人口減少に伴い減少に転じる可能性がありますが、困窮の度合いは最も深刻になり、公的扶助なしでは生存できない層がマジョリティの一つとなります。

世代交代による「構成の変化」イメージ 年代主な階層の変化
主なリスク
2030年中年アンダークラスが高齢化を開始低年金・無年金問題の顕在化
2040年ロスジェネ世代が完全に高齢者へ親の資産消失、独居・孤立死の急増

2050年アンダークラスの高齢化が完成社会保障制度の限界、階級の完全固定化

考察:何が鍵となるか 今後の推移を左右するのは、「健康寿命」と「居住の確保」です。アンダークラスの人々は体力仕事に従事している割合が高いため、加齢による健康悪化が即、収入ゼロに直結します。また、低賃金ゆえに家賃を払い続けることが難しくなる「高齢賃貸難民」の増加も、2030年以降の大きな懸念点です。
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年収216万円「アンダークラス」 日本全体を持続不能に『新しい階級社会』著者 橋本健二 早大教授に聞く日経BizGate|課題解決の扉を開く2026.01.14 

新しい階級社会 最新データが明かす<格差拡大の果て> (講談社現代新書 2779) 著者 : 橋本 健二 出版 : 講談社
 日経BizGateのコラム「ひらめきブックレビュー」は毎月6回、旬な書籍の書評を提供している。2025年に公開した同コラムの記事で最も閲覧数(PV)が多かったのが、『新しい階級社会』(講談社)を取り上げた「新しい階級『アンダークラス』 広がる格差を是正できるか」(8月19日公開)だ。

著者は長年にわたり日本の格差と階級の問題を研究してきた、早稲田大学人間科学学術院教授の橋本健二氏。橋本氏に低賃金の非正規雇用労働者など「アンダークラス」と呼ばれる新たな階級が、1980年代以降の日本で生まれた背景と社会経済への影響、考えられる処方箋などを聞いた。
――アンダークラスは2022年の時点で約890万人と、全就業者数の約14%を占めるとされます。アンダークラスがここまで拡大した要因は何でしょうか。 格差は社会全体の活力を奪い 経済成長を妨げる

――アンダークラスの存在は、日本社会全体にどのような影響を与えますか。
橋本 大きく3つの問題が指摘されています。
1つ目は社会的コストの増大です。貧困層は健康を害しやすく、医療費や社会保障費の増大につながります。
2つ目は富裕層や中間層を含む、すべての人々の生活の質が低下することです。
3つ目は経済成長が妨げられることです。格差が拡大すると、貧困層が能力を開発する機会が失われ、またその子どもたちが十分な教育を受けられなくなります。その結果、社会全体の生産性が下がり、経済成長が抑制されるのです。
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身元引受人と成年後見人の違い














日弁連が成年後見の不正対策強化に乗り出すという下記の記事が掲載されています。最高裁判所の統計によれば、2011年~2024年の14年間で専門職による不正の被害額は全体の約8%を占め、年平均被害額は約2億円とのことです。2010年から2023年までの専門職全体の被害総額は約30億円〜40億円規模に達しており、そのうち弁護士によるものは10億円単位に上ると考えられています。

医療機関、介護事業者、銀行等々 多くの方々が身寄りの無い方の対策として後見人ですかと、良く口に出されますが、その役割が異なり、身寄りの無い方々の支援が多岐にわたってきているということをあまりに知らなすぎます。

特に後見人は財産管理、人権擁護という観点からは事情の強い力を発揮しますが、日常の金銭管理や生活支援、死後事務委任と言う分野は決して得意分野とは言えません。むしろ専門外という認識をもたれるべきではないでしょうか?

成年後見人制度と身元引受制度のKFS(成功要因)は根本から異なります。両者に共通して異なる最大の要因は金銭管理と考えます。成年後見人は財産管理の報告義務は年1回裁判所に対して行う義務を負いますが、我々身元引受人の財産管理は最低月1回の本人又は利害関係者への報告が義務付けられねばなりません。お金を預かることの管理責任は定期的な報告義務(アカウンタビリティ)が伴います。

成年後見人制度の見直しが進められておりますが、この点について制度化する必要があると考えます。 これからは成年後見人+身元引受人、それぞれの利点を活用した、サービスメニューの普及が望まれます。
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日弁連が成年後見の不正対策強化へ 預かり金の口座原本、提出義務化|
Infoseekニュース2026.1.13 
 弁護士らによる成年後見制度を悪用した不正が相次いでいることを受け、日本弁護士連合会は対策の強化に乗り出す。所属する弁護士会から口座記録に関する原本の提示を求められた場合、提示を義務化する。応じない場合は、懲戒処分の手続きを進めることができるようにする。

最高裁によると、こうした「専門職」による依頼者からの預かり金の横領などの不正は14年の約5億6000万円(22件)がピーク。日弁連は、後見人となった弁護士に対し、通常業務の口座とは別に預かり金を専用の口座で管理することを義務化するなどの対策を講じてきた。

それでも不正はなくならず、22年は約2億1000万円(20件)、23年は約2億7000万円(29件)、24年は約1億5000万円(27件)と高止まりしている。

日弁連は17年度から、成年後見制度で横領などの被害に遭った被害者1人当たり500万円を上限に見舞金を支払う制度にも取り組んでいる。これまでの支給決定は2億円超に上るという。  日弁連は「弁護士による預かり金の横領が発生していることは極めて遺憾。対策を強化し、預かり金の適正管理の徹底を図っており、弁護士の監督を行う団体として不祥事防止策について今後も検討を続ける」と話している。
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非対称競争の法則とは














新しい時代の幕開けとなるか、新年早々に起業家が巨大企業を打ち破る非対称競争の法則について学んでいます。参考記事内容は下記の通りです。

身元引受サービスは急速にその市場を拡大させています。この事業を展開させるためには、巨大な無縁社会の闇に飲み込まれないように、十分な戦略を組み立てねばなりません。スピード、スケールが問われます。従来の発想では勝ち目がありません。

そこに現れたのが、「非対称競争の法則」という考えです。
「トレンド、タイミング、集中力を活用することで、資金力に頼らずに競争環境を変化させる必要がありあす。その有力な戦略の一つに非対称競争に参入するという概念があります。

非対称競争とは小規模プレーヤーが、既存企業が対応できない、あるいは対応したがらない競争上の盲点を突くことで、市場シェアを大きく変動させる状況で繰り返し現れるものと定義されます。 非対称競争では、優位性はより多くの資金を投じることからではなく、競争ルールを変えることから生まれます。

ポジショニング、トレンドの早期認識、そして既存企業が素早く複製できない販売エンジンを構築することが勝敗を決すると断言されます。

ポイントは次の4つ。
1. 巨人が競争できない領域で支配する
2. 取引、経済性、流通における非対称性を活用する
3. トレンドが既存企業が対応できない隙を作り出すとき、早期に動く
4. 巨人が脅威を理解する前に勢いを築く

勢いはネットワーク効果、スイッチングコスト、または統合プラットフォームから生まれる可能性があるとされます。

一度確立されると、これらの優位性は克服が困難になります、勢いは、ほとんどの非対称的勝利の背後にある隠れた力であり、我々はこれを目指さねばなりません。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
資本力より戦略:起業家が巨大企業を打ち破る非対称競争の法則 |
Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン2025.12.29
 一般的な見解では、起業家はベンチャーキャピタル(VC)から資金を調達し、急速に規模を拡大することで巨大企業を築くとされている。しかし歴史が示すのはまったく異なる現実だ。

最大の市場シェアの変動は、より少ないリソースで運営し、大企業が防御できない隙を突いた創業者によってもたらされてきた—時価総額10億ドル以上の起業家の94%は、VCを回避するか、離陸後まで調達を遅らせていた。これらは非対称的な動きである。

トレンド、タイミング、集中力を活用することで、資金力に頼らずに競争環境を変化させる。このパターンは非対称競争—小規模プレーヤーが、既存企業が対応できない、あるいは対応したがらない競争上の盲点を突くことで、市場シェアを大きく変動させる状況—で繰り返し現れる。非対称競争では、優位性はより多くの資金を投じることからではなく、競争ルールを変えることから生まれる。
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新年 明けましておめでとうございます。昨年を振り返り、新年の抱負をまとめてみたいと思います。

昨年1年は身寄り無き高齢社会に一石を投じるべく、身元引受サービスのインフラ作りに取り組んで参りました。代理店制度を始め、一気に全国で100件を超える代理店を募集することができました。代理店の皆様には心から感謝を申し上げます。

しかし、代理店のネットワーク作りは今漸く始まったばかりです。今のスピードでは無縁社会の闇に飲み込まれてしまう危機感が募ります。そのような1年間でもありました。 代理店制度の成果を更に高め、もっと早いスピードで多くの身寄りの無い高齢者の方々の生活支援をすることができるか、今年はその戦いになりそうです。

年始早々、イーロン・マスクのビジネスモデルについて下記の記事を読むことができました。マスクに学ぶ超高齢社会の高齢者支援のインフラ作りについて考えてみたいと思います。

イーロンマスクの戦略を要約すると、「スピードがリードを生み、スケールがそれを防御可能にする。インフラがそれを永続的にする」ということ。 マスクは既存の市場内で競争しているのではなく、政府、産業、国民がますます依存するインフラを構築している点が指摘されます。そしてStarlinkこそが、最終局面を明確にするピースと位置づけされます。

第一段階:テスラを通じて、彼は単に電気自動車会社を作ったのではない。ロボット工学、ソフトウェア、垂直統合を軸に製造業そのものを再構築した。その結果生まれたのは単なる車両ではなく、自律走行、ロボット工学、AIに応用可能なスケーラブルな生産システムである。

第二段階:その同じインテリジェンス・スタック(AI・ソフトウェア技術基盤)は、SpaceXに再利用される。SpaceXはまず最も困難な制約を解決した。再使用性にこだわることで、SpaceXは打ち上げコストを劇的に引き下げ、大規模な軌道インフラを経済的に実現可能なものにした。SpaceXはアクセスを創出したのである。SpaceXが技術を磨き、その上でStarlinkが価値を取り込む仕組みをつくった。

第三段階:Starlinkは、そのアクセスを継続的な経済力に転換した。Starlinkは単なるインターネットサービスではない。通信業界のほぼすべてのレガシー制約を迂回する、垂直統合型でグローバルに拡張可能な通信ネットワークである。光ファイバーの敷設工事は不要。通信塔の交渉も不要。地域独占企業への依存も不要。地理に紐づいた段階的なインフラコストも不要、という究極のインフラを確立するに至る。 マスクは、資本集約的で規制が厳しく、世界経済の基盤となる複数のセクターを同時に手掛けながら、数十年分の産業変革を数年に圧縮している。これは漸進的な起業ではなく、別種の起業家ゲームと位置付けられる。

マスクは、世界的競争、規制の摩擦、瞬時に動く資本の流れに特徴づけられる環境で、これと同等の経済的・戦略的影響力をはるかに早く実現しつつある。

スピードは、マスクの戦略の副産物ではない。スピードこそが戦略である。彼の企業は、規制当局や既存勢力、さらには資本市場が受け止められるように設計されている速度を上回るテンポで反復(イテレーション)する。その速度が優位を複利的に拡大し、初期の技術的先行を持続的な経済的優位へと転換する。

これらのマスクの戦略から我々は何を学べばよいのか?次元の異なるビジネスモデルかもしれませんが、一つでもヒントになればと自問し続けています。

共通すべきは、スピードが必要とされること、そして、スケールがそれを防御可能にする。インフラがそれを永続的にする」ということ。

マスクは既存の市場内で競争しているのではない。政府、産業、国民がますます依存するインフラを構築している点が重要なのである。それを少しでもなぞらえるとすれば、どのような戦略が考えられるのであろうか。 今年はこの新たなビジネスモデルの構築に向けて重要なターニングポイントとなることが予測されます。

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マスクだけ「別の起業家ゲーム」をしている──スピードが武器、複数を同時実行、重心はStarlink | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)2025.12.28
 異なるゲーム、しかし馴染みある歴史的結末 起業家の偉大さは、しばしば後知恵でより明確になる。マスクが特異なのは、彼の戦略の論理が、それがまだ展開中の段階で可視化されていることである。 スピードがリードを生んだ。スケールがそれを防御可能にする。インフラがそれを永続的にする。

鉄道は商取引を再形成した。電力は社会を再形成した。グローバル接続性は、それ以外のすべてを再形成する。 マスクは既存の市場内で競争しているのではない。政府、産業、国民がますます依存するインフラを構築しているのだ。歴史が示すように、起業家がこの地位に達したとき、その先の成功はほぼ約束されている。これは異なる起業家ゲームである。そしてStarlinkこそが、最終局面を明確にするピースなのだ。
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