<前回に続く>

■ファミリーマートは昨年末からATMを高齢者も扱いやすいように改善する。備え付けの受話器から自動音声が流れ操作法を指南する仕掛けだ。

■だがあらゆる小売業がねらうシニア市場でコンビニが優位に立てる保証はない。

■昨年7月にドラッグストア大手のサンドラッグが東京江戸川区のコンビニ激戦地に「シニアコンビニ」を開業した。レジに行列ができるほど盛況で、すぐに多店舗化できる客足であり、都市部の重要を掘り起こせると自信をみせる。

■同社は健康食品を扱ってきた経験からシニア市場に一定の知見はあると判断し、コンビニとは組まずに独力で新型コンビニを開発した。薬やコンビニ同様の弁当や生活用品をコンビニより2~3割安く売る。

■コンビニは取り扱い商品や店員の作業を標準化することで、効率的に事業を広げてきた。だが、宅配などのシニア向けサービスはマニュアルとは違う対応が求められる場面もあり、コストが膨らむ可能性もある。新たなコストを商品の価格に転嫁すれば、収入が限られる高齢者を呼び込むのは難しい。シニア対応は道の領域への挑戦だ。