医療崩壊は現実論2














パソナ会長竹中平蔵氏が「朝生」で「重症者430人で医療崩壊なんておかしい」と主張し、仁木医師から「ECMOは10人のスタッフが必要。負担が全然違う」と即座に反論されていたが、ネット上でもこの程度の重傷者で日本の医療が崩壊するはずがないという声が多い。日本の医療の現実を知らないとしか言いようがない。

今年3月の厚労省発表の医療動態調査結果を見ればよい。➡私の6月4日のブログ「 」を参照されたい。

日本の病院数は人口1000人当たりの急性期病床は米国2.44床に対して7.79床と世界一と言われるが、ICU病床は人口10万人当たり7.3床と米国の34.7床の5分の1に過ぎないのである。現在の日本の集中治療体制では新型コロナ感染症のオーバーシュート(爆発的患者急増)による重篤な患者の増加には対応できないと言われるのはこの点である。

更に、もう一つの問題は、日本の病床数の内、精神病床(325,634床)と療養病床(312,140床)を合わせると全体の約50%を占めるのである。病床数は多いものの、その内半数が世界一といわれる精神科病床と療養病床(老人病院)が占めているという世界でも例を見ない構造となっている。

即ち、一般診療所が全体の病院数の約6割を占め、病床数は多いものの、その半数が精神科、老人病院と化し、残りの病床もICUも少なく、新型コロナ等の新しい感染症の爆発的な感染には耐えられないということが明らかになってきたのである。新型コロナを契機に日本の医療体制の抜本的な改革が必要なのである。このことを多くの国民が認識しなければならない。

恐らく新型コロナが収まっても、第2、第3の新型コロナが発生する可能性がある。日本の医療は大きな転換点にあることを、新型コロナは教えている。
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「既に限界…今が対策のラストチャンス」 新型コロナでひっ迫する医療現場、重症者は最多の462人
東京新聞2020.11.30
今月に入り、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、重症者が過去最多を更新し続けている。厚生労働省によると、29日の全国の重症者は前日から22人増え、462人となった。医療現場は予想を超える速度で逼迫しており、医師からは「既に限界。人の動きを止めないと、救える命が救えなくなる」と痛切な叫びが聞こえる。(原田遼)

病院によると、人工呼吸器や人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を備えた重症患者用治療室では機器のアラーム音が絶え間なく響き、防護服姿の看護師が24時間体制で、投薬や人工呼吸器の調整のためにせわしなく動く。血流をよくするため、患者の姿勢を変えるのには7、8人の手が必要だ。

都は重症者用病床を現在の150床から倍増させる方針だが、内田病院長は「重症者用ベッドを1つ増やすのに5~6人を増員しないといけない。かなり厳しい」と指摘する。ベッドが増えなければ、助かる命も助からなくなる。「今は、外出制限など対策をしないと、感染は止まらない」

実情を伝えるため、自身のフェイスブックでも、「届け出病床の何%が埋まっているかなどと、書類の数字を眺めているだけでは真の切迫感は分からない」「このまま無策では2~3週間後までに医療崩壊を迎える」と発信する。
 軽症者が多かった夏場に比べて、現在は中等症でも比較的症状の重い患者の受け入れ要請が目立っている。「高齢者にも感染が拡大しており、重症者数や死者数がさらに増えかねない」
 「Go To トラベル」の見直しなどに慎重な政府の姿勢に焦りを感じる。「医療が崩壊すれば、結果的に経済も共倒れになりかねない。感染を抑えた後に経済を回すためにも、今が対策を打つラストチャンスではないか」