アジアのケアギバーは日本をみはなす














日本は憧れの地ではなくなった 最賃2000円超のオーストラリア、サポート充実の韓国…外国人労働者に選ばれるには何が必要か
南日本新聞12/29(金)   

予想していたことが現実のものとなってきた。極度の人手不足の介護業界において、外国人労働者の採用は避けて通れない課題であった。これまでの長年の外国人労働者の採用における足かせは、いよいよ本格的な人手不足対策を行う段階にきて、大きな曲がり角に来ている。   

このままではいずれアジアのケアギバーは世界の労働市場と取り負けると危惧していたが、正にその段階に来てしまった。 既に2年前にこのブログでも警告を発していた。

  


『王文麗専務は「東南アジアは自国の経済成長が進み日本での実習希望者が減りつつある」と説明する。円安で母国への送金額が目減りする逆風も重なり「今や日本は憧れの地ではなく選択肢の一つ」と感じている。県内の監理団体も「ベトナムなどでの日本離れを実感する」と口をそろえる。』   

『人手不足は日本だけの問題ではない。最低賃金が2000円を超えるオーストラリア、日本と平均賃金は近いが語学教育などサポート体制が充実する韓国。人材獲得競争は国内に加え、国家間でも激化している』そんな時代に突入しているのである。   

アジアの各地からみて日本は憧れの地であろうというのは日本人の思い上がりであり、この30年間で、その時代はとうの昔に過ぎてしまった。それどころか逆に日本のケアギバー(介護従事者)がオーストラリア等の給与の高い国に逃げてしまう時代が到来したのである。   

『何のための外国人材受け入れ制度か。転籍が可能になる期間を巡る議論は尽きない。有識者会議の最終報告は、業界ごとに制限期間の延長を認めるなど「必要な経過措置を検討する」と猶予の余地を残したまま立法府へ結論を委ねた』とまだ転籍条件などでもめている。   

そんな議論をしている暇はないはず。日系送り出し機関は当初の中国からベトナム、そしてインドへと人材開拓に奔走する。いつまでもこんなことをし続けねばならない国にアジアのケアギバーととの共存関係はなりたたない。日本は既に見放されている。