金銭管理の怖さ














成年後見人にしろ、身元引受人にしろ、被後見人、被身元引受人の財産を預かることは極めて大きなリスクである。 その責任の重さ故に、財産管理をおこなうのは裁判所に認められた弁護士や士業を中心とした後見人という位置づけであるが、このスキームで本当に被後見人の財産は守られるのか?   

約2年間で9人の被後見人から2億3400万円着服の元弁護士に懲役9年判決…地裁「信用や権限を悪用」が報告されました。 

最高裁判所の調査によると、2011年から2022年の12年間において、後見人による横領などの不正の被害額が少なくとも296億円に上ることが明らかになっています。1年間の平均被害額は約25億円になります。その被害のほとんどは親族後見人によるものです。親族後見人による不正の金額は被害額全体の約93%であり、年平均被害額は約23億円でした。他方、専門職による不正の金額は被害額全体の約7%であり、年平均被害額は約2億円です。また、不正1件あたりの被害額は、親族後見人による被害が614万円で、専門職が818万円でした。(いずれの数値も12年間の平均値。)   

対策として専門職の監督人をつけるか、あるいは後見制度支援信託・預貯金を利用させる、といった取り組みを進めているようです。ただ、支援信託・預貯金の利用拡大は、後見人による不祥事の発生を抑制する効果が期待できる反面、本人の財産を本人のために使うことが難しくなるといったデメリットが生じる点が問題点として指摘されています。   

年一回の家裁への報告や監督人をつける、後見制度支援信託等、それなりに対策はしているのであろうが、従来の財産管理、金銭管理ではこのリスクはカバーできない。何故、月一回程度の会計士や鑑査士等による監査体制を構築しないのか。不思議でならない。運営体制を根本的に変えれば良いのではないか。組織内外のけん制体制が構築されていないことに最大の問題があるのではないかと考える。ロングライフサポート協会は月1回の会計士の監査を受けて、全員に月次の収支管理表、通帳等のコピーをつけ、会計法人の検印を頂き報告をしている。    
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2億3400万円着服の元弁護士に懲役9年判決…地裁「信用や権限を悪用」
Gooニュース2024.2.9 
 依頼人に管理を任された財産など計約2億3400万円を着服したとして、業務上横領罪に問われた元弁護士平田秀規被告(51)に対し、熊本地裁は8日、懲役9年(求刑・懲役10年)の判決を言い渡した。   

 判決によると、平田被告は2020年5月から22年2月にかけ、成年後見人や相続財産管理人、破産管財人の業務で預かった複数人の預金などから計2億3471万円を着服した。 被害者は男女9人。公判で弁護側は情状酌量を求め、平田被告も謝罪した。平島正道裁判長は、「弁護士の信用や権限を悪用し、競馬などに浪費する中、依頼者や裁判所に虚偽の報告をして横領を繰り返した」と指摘し、「経緯や動機に酌むべきところはない」と結論づけた。