日常生活支援の限界














社会福祉協議会で行っている「福祉サービス利用支援事業」で高齢の利用者から預かった通帳から270万円を横領する事件が起きました。以前も同様の事件が起きていますが、金銭管理サービスの難しさが指摘されます。   

「福祉サービス利用支援事業」は日常生活自立支援事業における福祉サービス利用援助事業の内容であり、対象者は判断能力が不十分な者であり、かつ本事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる者。令和 5 年 3 月末時点の実利用者数は、56,550 件(同比 1 件増)、内約4割が生活保護と、近年は横ばいの傾向が続いていますが、この背景には、本事業が補助事業であり、予算上の制約等から支援を担う職員体制の拡充が難しいことがあげられます。
日常生活支援事業













  

本事業の実施主体は都道府県・指定都市の社協ですが、事業の一部を委託された基幹的社協(市区町村社協)数は、前年度比 18 増の 1,596 社協になりました。従事職員では、専門員(4,016 人、同 219 人増)は増加した一方、実際の支援の担い手である生活支援員は 1 万 5,388 人と減少(同 365 人減)しています。   
日常支援事業推移















ニーズは日に日に増加するサービスですが、その担い手は不足しており、むしろ減少傾向にある、福祉サービス利用者の希望者との乖離は続く一方となっています。社協だけではこの任務を負うことは困難になっています。特に金銭管理の難しさには社協だけでは耐えきれないでしょう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   
社協職員が福祉サービス悪用、預かった通帳から270万円横領 30代男性を懲戒解雇 錦江 
 南日本新聞 2024/04/02     
鹿児島県錦江町社会福祉協議会は1日、高齢者の通帳から約270万円を引き出し横領したとして、30代男性職員を3月31日付で懲戒解雇処分にしたと発表した。全額弁済され、刑事告訴はしない。    
町社協によると、男性は高齢者らの金銭管理を手伝う「福祉サービス利用支援事業」で町内の80代男性の家族から通帳を預かり、2023年11月~24年2月、二つの口座から11回にわたり計約270万円を不正に引き出した。  

80代男性が利用する町外のグループホームの職員が指摘し、今年3月18日に発覚した。本人に確認したところ「借金の返済に充てた」と横領を認めたという。