成年後見人見直し進む














成年後見人制度の見直しの機運が高まりつつあります。全国権利擁護支援ネットワーク顧問の佐藤彰一 弁護士が、現状の成年後見人制度の問題点と課題を指摘されています。この流れが今後さらに強まることを願います。   

従来から、これまでの成年後見人制度の問題点として挙げられている通り、死ぬまで解約することができない、後見人を選べない、報酬が高い、財産管理以外やってくれない等々の問題点は一昨年、国連が、障害者権利委員会の総括所見として「意思決定を代行する制度を廃止する」観点から民法の改正を日本政府に勧告されている内容です。   

佐藤先生が指摘をしている内容は次の点です。
①判断能力の有無を他者が決めることができないという理由から、判断能力がないことを前提とするのではなく、「能力存在推定」を前提に被後見人の意思決定を支援する制度を考えるべきだ。   

②そのためには、被後見人の意思決定をどう支援するかが重要となる。しかし、本人の意思をどう引き出すかや、状況や環境によって変化する本人の意思をどう捉えるべきかは簡単な問題ではない。そのためには被後見人の生活歴や暮らしぶりなどがある程度わかっていることが重要で、地域や暮らしの視点が求められる。佐藤氏は司法書士や弁護士といった第三者の成年後見人にその役割まで求めるのは困難だと語る。   

③今回の見直しの議論のなかで、後見人が本人に代わって意思決定をする現行制度から被後見人の意思決定を支援するという形に180度転換することができるのか、法改正も必要だが生活支援や地域づくりこそが重要だと主張する。   

特に重要と考えるのが、後見人に代わって、生活支援や地域づくりを誰がどのように行うのか、その仕組みをどう作り上げるかである。既にこの問題に現場は移行しつつあります。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
現行の成年後見制度では認知症になった人の権利を守れない佐藤彰一 (さとう しょういち)弁護士、全国権利擁護支援ネットワーク顧問
video news2024年04月6日  
 成年後見制度ができて四半世紀。数々の問題が指摘されてきたこの制度に、やっと見直しの動きが出てきた。    

成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などが理由で判断能力が低下した人の財産管理などを代理人が行う仕組みで、2000年にスタートした。成年後見人になるためには特別な資格は必要なく、家族のほか、弁護士や司法書士、介護福祉士などがなる場合が多い。また、その報酬は基本的には被後見人となる本人が負担する。  

認知症によって判断能力が衰える人が増加し、後見制度の必要性が高まる一方で、現行の制度は課題が多く利用しにくいことが指摘されてきた。今年2月に法務大臣が見直しを法制審に諮問したのを受けて、今月から審議が始まる。