
ケアマネジャー資格を有する人数は累計で739,215人ですが、そして居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーの数は117,025人です。その差はなんと資格保有者の15%程度しか働いていないことがわかります。潜在ケアマネの数が圧倒的に多いのです。
厚生労働省が昨年度に実施したシミュレーションの結果によると、2022年度と比べた場合、2025年度までに約2万7千人、2040年度までに約8万3千人の増加が必要と考えられています。にも拘わらずケアマネジャーの人数は減少傾向が続いています。
これから人材確保や生産性の向上などが実現しない場合は、高齢者が必要なサービスを受けられない問題が深刻化することが懸念されます。
漸く国もケアマネの業務範囲にメスを入れようとしています。しかし、その対応は明確ではなく、漸く業務分類ができたというレベルです。兎に角対応が遅いのです。分類が出来たが対策がこれからではケアマネの数は減り続けるでしょう。結果として介護事業が衰退していくことになりかねません。
その分類と課題について下記の報告が上がっています。その内容を抜粋してみます。
【田中紘太】広がったケアマネの業務範囲、負担軽減は実現するか 市町村主体の地域課題の検討がカギ! 介護ニュースJOINT 2024.11.26
ケアマネジメントをめぐる様々な課題を話し合う厚生労働省の検討会で11月7日、これまでの議論を整理した「中間整理素案(たたき台)」が示されました。
居宅介護支援のケアマネジャーが現に実施している業務について、今回の素案では、
①法定業務
②保険外サービスとして対応し得る業務
③他機関につなぐべき業務
④対応困難な業務
中間整理素案(たたき台)のポイントここまでが現状の到達点です。即ち課題が整理されただけで、その問題点の根本的原因がどこにあるのかが明らかではありません。何故、本業である法定業務以外の業務が増えているのかという、根本的な原因について掘り下げが足りません。
◯ 上記②や③の業務については、地域の多様な主体が役割を担うことが考えられる。また、民間の事業者がサービスを提供しているケースもあるところ、「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」の周知も含め、こうしたサービスを安心して活用できる環境を整備することが重要。
◯ 利用者、家族、関係職種、市町村の共通認識づくり、理解の促進が必要。国や関係団体を中心として、関係者の啓発を行っていくことも重要。
◯ 法定業務以外の業務については、基本的に市町村が主体となって関係者を含めて協議し、必要に応じて社会資源の創出を図るなど、利用者への支援が途切れることのないよう、地域の課題として対応すべき。その際、地域の実情に応じた対応ができるよう幅広く関係者の意見を聞いて検討することが適当。
介護保険制度が始まった段階では当時、介護の社会化ということが目指されたと思います。しかし、それが途中で、2013年ごろから流れが変わったのです。いつの間にか又、家族介護に依存するような政策が次々と打ち出され、地域包括ケアという名のもとに介護は家族が行うもので、それを地域で包括的にカバーをしようという流れに代わっていったのではないでしょうか。介護の社会化はどこにいってしまったのでしょうか。
その根本原因はどこにあるのか?国の財政負担を削る為なのか、社会保障を抑制するという国の大きな方針転換があったのではないかと推察されます。
しかし、ここにおいて国は大きな過ちを犯しました。それは核家族化が進み、超高齢社会へ突入することにより、家族介護のフレームが大きく崩れてしまったことに対する手立てが足りなかったのです。結果としてケアマネ等の法定業務だけではカバーできず、本来家族が補完しなければならなかった介護以外の「その他業務」に大きく時間と労力を取られることになってしまったということです。
その対策を地域包括ケアという漠とした概念で、カバーができるような錯覚を国民に与えてしまったのです。その中身は果たしてあったのでしょうか?地域包括ケアがどこまで浸透しているのでしょうか?国はそのことを検証しているのでしょうか?キャッチフレーズだけで中身のない政策(政策とは言えない言葉遊び)だけでお茶を濁してきた結果が今日の状況をもたらしているのではないでしょうか?
介護保険サービス、介護保険外サービス、そしてその周辺部分で従来家族が行ってきた生活支援サポートである、第3の介護と言われる分野(身元保証や身元引受といった業務)について仕組みを作ってこなかったことが最大の問題であり、それは国の失策といえるものではないでしょうか。そのツケをケアマネや行政に負わせようとするのは言語道断です。
今求められているのは第3の介護分野といわれる身元保証や身元引受、そして日常世克支援の社会的なフレームを構築することです。それは決して行政だけに任せておけるものではありません。一つの産業(サービス業)として興すべき内容と理解しています。行政が窓口なってカバーできるようなものではありません。早急に業界団体の立ち上げや政府に対する提言活動を行う組織を作るべきと考えます。
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