「施設に入りたくても入れない」状況と「在宅への強制的な流れ」について現在の社会情勢、東京都および埼玉県の独居高齢者(65歳以上の単身世帯)における持ち家比率と軒数について、総務省の最新の統計調査(令和5年 住宅・土地統計調査)および直近の確定データに基づいた数値を検証してみました。
持ち家比率は埼玉県の方が高く、軒数(世帯数)は東京都の方が圧倒的に多いという結果になっています。
東京都と埼玉県の独居高齢者の持ち家状況
|
項目 |
東京都 |
埼玉県 |
|
独居高齢者の総数 |
約92.3万世帯 |
約45.2万世帯 |
|
持ち家比率 |
約51.2% |
約65.8% |
|
持ち家の軒数(推計) |
約47.3万軒 |
約29.7万軒 |
※数値は「令和5年住宅・土地統計調査」および「令和2年国勢調査」を基にした算出・推計値です。
独居高齢者は東京都で約51.2%,埼玉県で65.8%の持ち家で暮らしていることになります。いずれ、売却や空き家候補と言えます。
次に東京都と埼玉県の独居高齢者のうち、施設入居者の比率は何パーセントと推計されるかも調べてみました。
東京都と埼玉県の独居高齢者における「施設入居者」の比率について、国勢調査等の統計データに基づいた推計値をご案内します。
統計上、施設に入居している高齢者は「一般世帯(自宅住まい)」ではなく、「施設等の世帯」として分類されます。そのため、自宅で一人暮らしをしている「独居高齢者」とは別にカウントされますが、全65歳以上人口に占める割合として算出するのが一般的です。
施設入居者の比率(推計値)
65歳以上の高齢者人口全体のうち、老人ホームや介護施設などの施設(病院を含む)に入居・入院している人の割合は以下の通りです。その数は約5%に過ぎないのです。
|
地域 |
施設入居者の比率(推計) |
施設入居者の数(概数) |
|
東京都 |
約 4.8% 〜 5.2% |
約 16万 〜 17万人 |
|
埼玉県 |
約 4.5% 〜 4.9% |
約 9万 〜 10万人 |
※「令和2年国勢調査」および厚生労働省の「介護保険事業状況報告」などを基に推計。 ※「施設」には、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設、および病院の長期入院患者を含みます。
地域別の特徴と傾向
1. 東京都:施設数は多いが、在宅支援も充実
東京都は施設数そのものは全国最多ですが、地価が高いため入居費用が高額になりがちです。そのため、施設に入るよりも「住み慣れた自宅で、訪問介護などのサービスを利用しながら一人暮らしを続ける」独居高齢者が多いのが特徴です。
2. 埼玉県:施設整備が急速に進む地域
埼玉県は、かつて全国で最も高齢化のスピードが速いとされてきました。そのため、近年急速に有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の整備が進みました。東京都に比べると、郊外型の大規模な施設が多く、比率としては東京都とほぼ同水準、あるいはわずかに低い傾向にあります。
全体の構造
1.独居高齢者(自宅住まい)と施設入居者の関係を整理すると以下のようになります。
- 自宅住まい(独居): 約25%〜30%(高齢者の約4人に1人が一人暮らし)
- 自宅住まい(家族と同居): 約65%〜70%
- 施設・病院住まい: 約5%
このように、実際には「施設に入っている人」よりも「自宅で一人暮らしをしている人」の方が圧倒的に多く(約5〜6倍)、社会全体での見守りや在宅介護サービスの重要性が高まっています。
2.今後の首都圏の介護の実態とは?
「施設難民」と在宅の限界
独居高齢者が増え続ける一方で、受け皿となる施設の伸びが建築コストの増加と人員不足で鈍化すれば、当然「施設に入れない高齢者」は増加します。
• 特養の待機者問題: 依然として要介護3以上の重度者が優先されるため、比較的元気だが独居に不安がある層(要介護1〜2など)の行き場がなくなっています。
• 「隠れ待機者」の増加: 経済的な理由から高額な民間施設には入れず、かといって公的施設は空きがないため、やむを得ず在宅に留まっている「潜在的な待機者」が急増しています。
・「施設から在宅へ」の加速:危惧される点
国は政策として「施設から在宅へ」という方針を掲げていますが、これが事実上、独居高齢者にとって「在宅への追い出し」に近い形になっている側面は否定できません。
• 地域包括ケアシステムの現実: 住み慣れた地域で暮らすという理念の一方で、独居の場合、急変時の対応や24時間の見守りを「地域のボランティアや見守りサービス」だけでカバーするのは限界に来ています。
• 在宅の限界点の低下: かつては家族が担っていた「24時間の見守り」や「家事援助」をすべて外部サービスに頼らざるを得ず、利用限度額(支給限度額)を超えてしまうため、在宅生活を維持できないケースが増えています。
• 「独居×認知症」の増加: 独居で認知症を患う方が増えており、火の不始末や徘徊などのリスクを抱えながら、施設が見つかるまで在宅で凌いでいる危うい状況が加速しています。





