無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 単身社会

身寄りの無い高齢者行政負担














自治体が「身寄りの無い高齢者の生活支援」の支援をどの程度行っているのか初めての実態調査ではないでしょうか。これまでケアマネのシャドーワーク等が話題になって、その実態調査の解明が求められていましたが、行政も動き始めたようです。   

その調査によれば、「公的な手続き以外にもニーズが多岐にわたることから自治体などのほうがより負担を感じていることが明らかになりました」と報告されていますが、自治体の方がより負担を感じているということはどういうことでしょうか?   

ケアマネと異なり、行政にしか負担が出来ない生活支援とは一体何なのでしょうか?行政も、ケアマネも、そしてソーシャルワーカー、ケアワーカー、皆同じではないでしょうか。家族社会が崩れてくる中で、家族に代わる業務が各組織に振られているという状況に過ぎないのではないでしょうか、即ち身寄りの無い高齢者の生活支援を行政、民間を含めて各団体でシェアしているということかと思います。  

その意味では皆同じ立場にあると思います。行政だけがより負担を感じるというのはおかしな話。行政、ケアマネ、民間事業者等関係者が一堂に会して、対策を協議検討する段階にあります。#身元保証課を行政の窓口に作って欲しいという声に耳を傾けるべきです。行政がリーダーシップを取るべきです。でなければ、行政がこの仕事をやって下さい。
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身寄りのない高齢者の生活支援 自治体の負担明らかに 実態調査 
NHK2024.4.19   
 身寄りのない高齢者の生活支援については、家族に代わって自治体や社会福祉協議会、それに民間の事業者も担っていますが、それぞれどの程度の負担があるのか国が実態を調査したところ、公的な手続き以外にもニーズが多岐にわたることから自治体などのほうがより負担を感じていることが明らかになりました。   

身寄りのない高齢者の増加に伴い、これまで家族が担ってきた身の回りの世話などの支援をケアマネージャーなどが業務外で行っている実態が問題となっている一方で、契約を結んで支援を行う民間の事業者も増えています。   

こうしたなか、国は日本総合研究所に補助を行い全国の自治体や社会福祉協議会、それに高齢者の身元保証などを行う民間の事業者などを対象に、支援を行う際にどの程度の負担があるのか初めて実態を調査しました。   

調査では生前から亡くなったあとまでの30項目について『権限が明確でないため対応が難しい』と回答した割合を比較していて、自治体や社会福祉協議会は「入院の手続き」や「サービス付き高齢者住宅への入居契約」「葬儀」など24項目で事業者を上回りました。   

調査からは介護保険や亡くなったあとの書類作成などの公的な手続き以外の多岐にわたるニーズについて、自治体や社会福祉協議会が利用者と契約関係にある民間の事業者に比べてより負担を感じている傾向が浮かび上がりました。   

日本総合研究所は「これまでは家族が担ってきた支援も含め外部でどう担っていくのかあらためて議論する必要がある」と提言しています。
調査の結果を踏まえ、国は身元保証を行う事業者のガイドラインを作成するなど、対策を進めることにしています。
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現場では複合的な問題を解決するために従来の縦割り的な行政機能では複合化する問題を解決することができない為、関係者の協議の場が必要だと感じている方々が多くいます。   

愛媛県宇和島市では居住支援法人が自主的に立ち上がって、行政と連携をとりながら、居住に関する問題のコーディネートに当たるという体制を作ろうする動きが始まっています。

行政に身元保証課を設置して欲しいというケアマネのXが拡散していますが、行政にもその予算と人材に限界があります。

そこで、行政が主となって、居住支援法人を巻き込んで支援チームを作り、身寄りの無い高齢者の生活支援をしようという試みが始まって来たといえます。

ケアコミュニティ
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東京都孤独死4000人














東京都の23区内で年間高齢者の孤独死が4000人以上という事態に行政も本格的な対応を始めているようだ。東京都監察医務院の統計によると、単身世帯で自宅で亡くなる「孤独死」をした65歳以上の高齢者は、2020年に23区内だけで約4200人に達したという。5年前より1千人以上も増えたという。
その対策の一つとして取り組みが始まっているのが、自治体の終活情報登録事業である。
都内23区内の自治体も徐々にその取り組みを強化してきているが、その取り組みは途に就いたばかり。このレベルでは2025年問題、更に2040年問題はクリアーできない。
行政の限られた人的資源ではこれからおしかける多くの孤独死予備軍の高齢者を救うことはできない。東京都の令和2年の単身高齢者数は81万人、もう間もなく100万人を超えていくであろう。それに地域の自治体は耐えられるのか? 
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高齢者の孤独死、23区だけで年間4千人以上…自治体による終活支援の取り組みとは?研究員「住む場所でサービスに差が出ないよう国にも動いてほしい」YAHOOニュース2024.2.14
 ◆東京都豊島区が23区で初の終活登録を開始しているがまだその数は少ないようだ。登録事業を利用したのは60~90代の18人(2022年10月末現在)。うち12人は女性という。 終活あんしんセンターの運営を受託している豊島区民社会福祉協議会(社協)の天羽瞬一チーフは「ひとり暮らしの高齢者で認知症など支援が必要なケースが最近、増えている。身寄りがなく、区が後見人を申し立てるケースが以前に比べ、増加している」と話す。
 ◆社協による終活支援の広がり 練馬区も同種の制度の検討を始めている。20年には286人の高齢者が「孤独死」したという。 青梅市はすでに、葬儀や納骨などを任せられる親族等がいない独居または高齢者のみの世帯で一定の条件を満たす人に、葬儀の生前契約をサポートする事業を行っている。
 社協による独自の終活支援も広がっている。2022年度から墨田区社協ではひとり暮らしの人を対象に、見守りから死後の手続きまでを有料でサポートする「すみだあんしんサービス」を開始した。契約時に契約支援料3万円と預かり金150万円を支払えば、3段階にわけて支援が受けられる。 
 足立区社協、中野区社協、品川区社協、文京区社協も同様に高齢者の見守り、入院時の対応、亡くなった後の事務手続きや遺言書作成などを有料で支援する事業を行っている。また、武蔵野市福祉公社、調布市社協も同様のサービスを提供している。
 終活支援に詳しい日本総合研究所の沢村香苗研究員によると、全国で30以上の自治体と社協が終活支援に独自で取り組んでいる。沢村さんは課題をこう語る。
「身寄りのないひとり暮らし高齢者の支援をどこの省庁が担当窓口になるかもまだ、決まっていない中、現場を持つ市区町村が国に先んじて対策に取り組んでいる。住む市区町村によって受けられる終活サービスに差が出ないよう国にも動いてほしい」
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超高齢社会に対応するウエルネスタウン














能登半島地震で災害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。そして亡くなられた方々のご親族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。   

能登半島地震の被害は直近で死者202人、安否不明者102人と発表されました。大変な震災に多くの方々が心を痛めておられると思います。今回の震災を通して多くの方々がお感じだと思いますが、被害にあわれた方々の中に、多くの高齢者が含まれていたことです。
随時更新【最新情報まとめ3】能登半島地震 死者は202人 安否不明102人
によれば、安否不明者のデータでは、安否不明者102人の中に、不明な方もおられますが、高齢者は58人、その内75歳以上の後期高齢者は約40人程度と思われます。恐らく死者においても半数以上が高齢者又は後期高齢者と思われます。   

県の報告書にも「石川県における65 歳以上人口に占める 75 歳以上(後期高齢者)人口の割合は、年々増加しており、令和2 年で半数を越え、令和7年以降は6割を越えて推移する⾒込みだが、令和 17 年以降は微 減となることが⾒込まれる。令和2年時点で、本県で最も高齢化率が高いのは珠洲市の 51.7%である」とあります。震災における死者202人の内、最も多かった珠洲市が91人と最多を占めるのもうなずけます。やはり、高齢化率が高ければそれだけ災害が起こった際には受けるダメージも大きくなります。   

今後も、後期高齢者の増加傾向は続き、団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025 年には、高齢者の 5 人に 3 人が後期高齢者になると見込まれています。https://www.pref.ishikawa.lg.jp/ansin/plan/documents/2bu.pdf
石川県後期高齢者推移石川県後期高齢データ













































超高齢社会における地域インフラの整備を急がねばなりません。地域に分散した医療と介護を集めるコンパクトシティ構想や福祉の街づくりウエルネスタウン構想の実現に向けて大きな舵を切らねばなりません。
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無縁遺骨、無縁墓の問題解決前回は身寄りの無い人の葬儀、そして無縁遺骨、無縁墓の処理にどれだけのコストがかかっているかについて考えてみたが、これからも今と同じやり方をしていたので、一体どれだけのコストがかかるのか、気が遠くなりそうである。

成年後見人同様に後手後手となっては費用負担は増えるばかりである。もっと前の段階で、身寄りの無い人に身元引受サービス事業者が身元引受人となり、「身元引受契約」、「金銭管理契約」、「死後事務委任契約」を締結しておけばこれらの問題はかなり解決するのではないかと考える。

日常金銭管理と死後事務委任を行う契約を身元引受契約の段階で結んでおれば、日々の金銭管理を通して最後の葬祭、納骨費用を捻出することができる。そして、もし万が一亡くなった場合には葬祭の手配から納骨に至るまでをその資金で処理をすることができる、そして残ったお金をご遺族にお渡しをすれば全てが収まるのである。 

生保の方も葬儀は葬祭扶助で対応することはできるが、全てが葬祭扶助の対象になるものでもない。その人にお金が残っておれば、そこから葬祭費用を少しでも捻出して、足りない分を葬祭扶助に充てることもできるのである。又、納骨も現在は様々な受け入れ墓苑があり、我々のロングライフサポート協会では全国どこでも送骨(そうこつ)を通して、2万円以下で納骨が可能となる。クーポンを使えば17000円程度で行うことが出来るのである。問題は誰がやるかである。

問題はこられの処理をバラバラに各団体が行うのではなく、一貫して行うことができればどれだけの無駄を省くことができるのか、専門家や行政の方々は考えて欲しい。

私共の身元引受は上記の方法で、その方の生涯を通して、できるだけ自分の財産で身辺整理をして頂くことを念頭にご本人と一緒に終活に取り組まさせて頂いております。生保を受給されている方も然りである。やり方を工夫すればできるのである。是非、皆様と共に知恵を絞りたいと思います。
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