
スウェーデンには介護離職がないと言われます。日本は年間10万人を超える状況です。何が違うのでしょうか?
スウェーデンの社会福祉について次のように述べられています。
「介護離職」がないスウェーデン、年間10万人を超える日本 何が違う?
ヨミドクター2024.4.19
「スウェーデン人は、長年税金を払い続けてきたのだから社会保障は権利であると、保障を受けることに堂々としています。そして、国の政策を信頼しています。そのため、家族に頼ろうという姿勢の高齢者には出会ったことがありません。」
「スウェーデンでは介護離職はありません。スウェーデンでは、パートナーや親子であっても、介護は介護する側が希望する場合にのみ行われます。そして、終末期においては、家族や大切な人と最期を共に過ごすために、医師が終末期ケアと認定することで、給料の8割が社会保障制度から出ます。さらに、自宅でも施設でも病院でも、ケア(医療と介護)はスタッフが行うため、家族は自分が大切な人と過ごしたいと思う時間にいることができ、何かしなくてはいけないことはありません。 」
次の表は日本とスウェーデンの国民負担率の国際比較です。
国民負担率(租税負担率+社会保障負担率)と潜在的国民負担率(国民負担率+財政赤字対国民所得比)を比較すると日本では2024年度は45.1%と50.9%、スウェーデンは2021年度で同55.0%と55.6%となります。国民負担率で10%、潜在的国民負担率で約4%の違いしかありません。

両国の比較は文化も歴史も違う為、一概には言えませんが、社会福祉のあり方を抜本的に見直さねばならないのではないでしょうか。
「国によって、高齢者介護のあり方と高齢者の心構えがこんなにも違うことに驚きます。超高齢社会を上手に乗り越えるために、日本は発想の転換が必要かもしれません。(宮本)」という意見に同意します。
「介護離職」がないスウェーデン、年間10万人を超える日本 何が違う? https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20240410-OYTET50001/ ヨミドクター2024.4.19
日本には、家族を介護するために自分の仕事を辞める「介護離職」をする人が1年間に10万6000人(2022年)います。男女ともに55~59歳の割合が高く、介護する人にとっても、社会にとっても大きな損失です。
高齢者介護・保護の責任は市町村
スウェーデンでは、親を介護する義務は法律になく、親の介護は「完全なる子どもの自由意思」です。また、「社会福祉法」には、「高齢者介護・保護は社会福祉を担う市町村の責任で行われる」とあり、家族はその責任を求められません。しかし、病気の子どもは親にケアされる権利があり、親は社会保障費をもらって入院中の子どもに付き添います。
高齢者の介護義務に関する両国の法律は正反対です。日本では、保護する責任のある者が保護を怠れば犯罪になりますが、スウェーデンでは高齢者介護・保護は社会福祉を担う市町村の責任です。そのため、日本の法律は介護離職の要因になりますが、スウェーデンの法律は介護の犠牲者を生みません。日本の法制度は見直す必要があるのではないでしょうか。
国によって、高齢者介護のあり方と高齢者の心構えがこんなにも違うことに驚きます。超高齢社会を上手に乗り越えるために、日本は発想の転換が必要かもしれません。(宮本)