無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 貧困・生活保護問題

生活保護高齢者問題













「生活保護申請、過去最多の25万件超。6割が病気・ケガで困窮し、4割超が真冬の暖房を我慢」
との記事が出ていますが、高齢者の生活保護問題が欠落しています。

 高齢者世帯の割合は受給者全体の約55.1%を占めており、その数は増加傾向にあります。多くは身寄りがありません。  

 数字だけ見るとわずかな増加に思えますが、重要なのは「6年連続で増加している」という点と、「現行の調査手法となった2013年以降で最多」を更新し続けている点です。物価高の影響により、年金だけでは生活できない高齢者が申請に踏み切るケースが目立っています。今後さらに高齢者の生活保護利用が増える可能性は高いと考えられています。

主な理由は以下の3点です。
「無年金・低年金」層の高齢化: 自営業者などで国民年金のみ(あるいは未納)だった世代が高齢期に入り、貯蓄が底を突く「老後破産」のケース。

単身世帯の増加: 家族の支えがない一人暮らしの高齢者が増えており、住居費や介護費の負担を一人で抱えきれなくなる。

物価高騰と賃金の乖離: 年金額の伸びが物価上昇に追いつかず、実質的な生活水準が低下している。

今後の見通し
 なぜ「急増」が懸念されるのか 数字上は微増に見えますが、現場や専門家が「急増」を危惧しているのには理由があります。

「持ち家なし」高齢者の増加: 賃貸住まいの現役世代が高齢化しており、年金から家賃を払うと生活費が残らない世帯が予備軍として膨らんでいます。

物価高の定着: 2024年〜2025年にかけての食料品・光熱費の高騰は、固定収入である年金生活者にとって「実質的な減額」と同じダメージを与えています。

就労困難な高齢者の増加: 70代前半まで働いて生活を維持していた層が、健康上の理由でリタイアせざるを得なくなった際、即座に保護が必要になるケースが目立ち始めています。

こうした背景から、今後2030年代にかけて「団塊の世代」がさらに高齢化するにつれ、数字はもう一段階跳ね上がるという予測が一般的です。
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社説:生活保護費 物価高反映した増額を 京都新聞2024.12.13 

憲法が保障する「健康で文化的な生活」にかなうのかが、問われている。  困窮者支援に取り組む全国の32団体が先月、物価上昇に見合う生活保護費へ引き上げるよう政府に求める要望書を出した。  

食料品をはじめ必需品の値上がりが、生活保護受給者にとって「死活問題」になっていると訴えた。食費や光熱費などの生活扶助費の基準額を、単身世帯13%、家族のいる世帯は12・6%それぞれ引き上げるよう求めた。 前回改定した2020年度以降の全国の消費者物価指数は3年連続で上昇し、23年度の生鮮食料品を除く食料は前年度比7・5%も上がった。

生活保護費を含んだ社会保障費について、年末の予算編成に向けた見直しの議論が大詰めを迎えている。 ドイツでは、3カ月の物価に応じた保護基準額や課税最低限の調整が行われている。日本でも「最後のセーフティーネット」の役割を果たしうる水準が必要だ。

その結果がこれである。
生活保護費、月500円程度引き上げへ調整 物価高で増額求める声も朝日新聞デジタル2024.12.17

「最後のセーフティーネット」とされる生活保護費をめぐり、厚生労働省は、1人あたり月500円程度引き上げる方向で検討に入った。物価高を背景に増額を求める声があった。年末の予算編成過程で最終決定する。  複数の関係者が明らかにした。生活保護費の見直しは原則5年ごと。ただ、2023年度以降の改定を議論した22年は、物価高などの影響を考慮し、24年度まで2年間分で決着。
(1)1人あたり月1千円を特例的に加算
(2)それでも減ってしまう場合には金額の据え置き(従前額保障)――の二つを実施した。
今回は、新たに約500円増とする方向で検討している。(藤谷和広)

生活扶助費では率にしてわずか0.7%程度の引き上げですか。もうバカにしていると言わざるを得ない。コメ代は2023年に比べて3割上がっている。関係者は知っているのか?
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生活保護減額訴訟大阪高裁の間違い 













大阪高裁は今回も生活保護減額訴訟で二審判決を退けた。 2013年の引き下げは、生活保護基準を決める際に使ってきた従来の指標を前回は使わず、社会保障審議会生活保護基準部会の検証を経ないで独自の指標をもとに安部元総理が公約を実行する為に厚労省が忖度し、意図的に引き下げたものであることは明白である。にも関わらず、それを厚労大臣の裁量権の範囲であると断じて退けた。断じて許されない。

 各地裁でそのことが議論され、これまでに出た26件の一審判決のうち、15件で処分取り消しが認められている。その過程で問題点は明らかになってきたはずである。ある裁判では厚労省は引き下げの原因について、明確な返答もできなかったと言われる。にもかかわらず、まだ、このような偏った判決を繰り返す大阪高裁は明らかに間違っている。前回も大阪府弁議会が見直しを求める声明を出したにもかかわらず、同じ過ちを繰り返す。その内容は次の通りである。

2023年(令和5年)4月14日にも大阪高等裁判所は、2013年(平成25年)8月以降に国が実施した生活保護基準の引下げ(以下「本件引下げ」という。)は生存権保障を具体化した生活保護法に反するなどとして、大阪府内の生活保護利用者らが保護費減額決定の取消しなどを求めた訴訟の控訴審で、同決定を違法として取り消した一審大阪地裁判決の判断を覆す判決(以下「本判決」という。)を言い渡した。   

今回も同じ大阪高裁が兵庫県内の受給者9人が神戸市などに減額決定を取り消すよう求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(森崎英二裁判長)は4月26日、請求を退けた一審・神戸地裁判決を支持し、受給者側の控訴を棄却した。   

一体大阪高裁は何故にこうも国に忖度ばかりする判決を出すのか?前回も大阪府弁護士会が次の「行政に対する司法のチェック機能を後退させた大阪高裁判決に抗議し、改めて生活保護基準引下げの見直しを求める会長声明」を出したが、今回もこの意見は無視された。   

「大阪地裁判決を含むこれらの判決(但し、さいたま地裁判決を除く)は、社会保障審議会生活保護基準部会の検証を経ないで実施された「デフレ調整」に関する厚生労働大臣の判断につき、統計等の客観的数値等との合理的関連性や、専門的知見との整合性の有無を詳細に検討し、生活保護法の定める健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を具体的に保障するという視点から、裁量権の逸脱又はその濫用があるとした点において共通するものであった。    

ところが、本判決は、上記基準部会による検証について「あくまで厚生労働大臣の判断の合理性を担保する手段」に過ぎないと位置づけ、最高裁判所が、老齢加算廃止訴訟判決(平成24年2月28日判決及び同年4月2日判決)において求めた専門的知見との整合性」の審査についても「確立した専門的知見との矛盾が認められる場合」に限って、専門的知見との整合性が欠けると判断すべきという独自の高いハードルを加え、厚生労働大臣の裁量権を広範に認めた上、本件引下げの理由として国が説明するところを、「一応合理的」「一定の合理性」「それなりの合理性」というような緩やかな指標で追認し、本件引下げを適法であると判断した。   

本判決は、司法に期待されている行政へのチェック機能を積極的に発揮する方向に転換してきた一連の地裁判決の流れに、再び水を差して消極的な姿勢を打ち出したもので、司法に救済を求める少数者の人権擁護という職責を放棄し、国民の司法への期待や信頼を損なうものと評価せざるを得ない。」   

生活保護費減額、受給者が二審も敗訴 大阪高裁が国の裁量を広く認定   
朝日新聞デジタル2024.4.26  
 国が2013~15年に行った戦後最大の生活保護基準額引き下げは生存権を保障する憲法25条に違反するとして、兵庫県内の受給者9人が神戸市などに減額決定を取り消すよう求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(森崎英二裁判長)は26日、請求を退けた一審・神戸地裁判決を支持し、受給者側の控訴を棄却した。   

高裁は、基準引き下げを巡る厚生労働相の判断が違法となるのは「手続き上の過誤があるだけでは足りず、過誤が重大で、現実の生活を無視して著しく低い基準を設定した場合に限られる」と述べ、国の裁量を広く認める判断枠組みを示した。   

その上で、受給世帯があまり買わないテレビやノートパソコンなどの価格下落を強く反映させる独自の指数が基準額算定に使われた点について、「専門技術的知見」に基づく厚労相の裁量の範囲内と判断。「重大な過誤」はなく、引き下げは適法だと結論づけた。
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生活保護受給者を対象とした身元引受プラン「ライトプラン」を更新しましたので、ご案内致します。最近各地で以前にも増して生活保護受給者の身元引受のご相談を受けるようになりました。又、生活保護受給者を対象とした身元引受が事業となるかとの質問も受ける機会が増えて参りました。

私共、一般社団法人ロングライフサポート協会は生活保護受給者を対象とした身元引受サービスを行政と連携して14年にわたって行って参りました。その数も167名を超えるまでに至りました。いつでもご相談に応じておりますので、是非、お声をかけて下さいませ。
ライトプラン1






























ライトプラン2










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行き過ぎた保護行政














 行き過ぎた群馬・桐生市の生活保護行政が告発されている。10年間にわたって、暴言、ハラスメントを繰り返し、更に警察OBが新規面接相談や家庭訪問にも同席するなど、生活保護利用者を排除と取り締まりの対象とする偏見が浸透していたという。

 何故、10年間も放置されていたのか、そのことも大変な重要な点である。県の監査、そして国もそのことを見て見ぬふりをしていたとすれば、その責任は誰が取るのであろうか。   

 恐らく最初は担当職員を守るための警察官OBの同席であったのではないであろうか?それが徐々にエスカレートをして生活保護利用者の排除に向かっていったのではないかと推察される。 全国にも程度の差はあれ、同様のケースがあるのではないか、国は徹底的に調査をする必要がある。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   
元警官配置 暴言で排除群馬・桐生 生活保護行政を告発参院委で参考人
しんぶん赤旗 2024.4.13    
 生活保護世帯への居住支援の強化、家計改善、就労支援の強化などをうたう生活困窮者自立支援法、生活保護法等改定案についての参考人質疑を行った11日の参院厚生労働委員会では、自治体の人権侵害によって住民を生活保護制度から排除している実態があらわになりました。    

一般社団法人つくろい東京ファンドの稲葉剛氏は陳述で、群馬県桐生市の生活保護の違法運用や人権侵害行為を告発。生活困窮者自立支援法と生活保護法の見直しを議論した厚労省の部会報告が「必要な者に的確かつ速やかに支援を届ける」とうたっている一方で、暴言、ハラスメントで受給者を制度から短期に締め出すなど、住民を制度から遠ざけているほか、警察OBを積極的に配置するよう促す通知をうけ、元警察官が新規面接相談や家庭訪問にも同席するなど、生活保護利用者を排除と取り締まりの対象とする偏見が浸透していた結果だと指摘。その責任の一端は厚労省にもあると批判しました。    

また稲葉氏は、改定案は家計改善支援の強化をうたうものだが、「家計支援」を名目に人権侵害が行われていないか厚労省は検証すべきだと指摘しました。
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