無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 身元引受

境界型(境界層)の高齢者や地域包括の皆さんが欲しい支援では金銭管理が先行します。その理由は、自分たちだけではその方の生活全般にわたっての金銭管理(財産管理)の仕組みがないからです。

我々は長年金銭管理を行い、そのノウハウを蓄積してきています。その一つは、毎月の金銭管理表のノウハウです。

これは月次の収支明細を作成し、通帳の残高コピーをつけて、会計士の監査を受けて提出しているものです。このことによって、対象者の月次の資金繰り、そして過去の債務や支払い等が把握できるからです。

貯蓄がないのであれば、少なくとも住居の撤去費用と葬儀、納骨費用は最低限蓄えていかねばなりません。それをコントロールしていくのは地域包括では困難で、そこまでやっている身元引受業者はおりません。

但し、この内容になりますと金銭管理の枠を超えて、身元引受の領域に入って参ります。現在金銭管理単体の契約では毎月5500円の料金を頂いておりますが、当然、これだけは本来は足りません。ご指摘の支援にもお金がかかります。

現在、有償ボランティアの制度を作ろうとしていますが、まだ時間がかかります。どちらかというと金銭管理だけの契約ではなく、むしろ、生活保護相当と位置付けて、包括型の身元引受を行い、そのなかでその他のトータルの資金、財産管理をする方向で考えております。

場合によってはその方の財産の洗い出しと残余財産の資金化の支援まで含んでおります。もし、その方の財産が少しでも増えるようであれば、その段階で一般の身元保証契約に切り替える措置も要検討です。

生活保護でもない、一般でもない、第三の身元引受契約書の創設も考えるべきかと考えております。

今の制度の狭間に落ちている層を救うには、包括型の金銭管理+身元引受を一体化したモデルが不可欠です。

当協会は
• 金銭管理の監査体制(会計士監査)
• 月次収支表+通帳コピーの透明性
• 財産の洗い出しと資金化の支援
• 310件(内、生活保護184件)の身元引受実績
• 居住支援法人としての公的立場

これらをすでに備えているため、全国でもほぼ唯一、この第三の契約を制度化できる団体ではないかと考えています。

次回は更に踏み込んで、境界層を含んだ第三の身元引受のスキームについて述べてみたいと思います。
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 現在身元引受をしている対象者の中に、境界型といわれる高齢者が増加していることが気になっています。いわゆる境界型とは、年金が生活保護費より若干多いために生活保護にもなれず、なおかつ、貯蓄もないという方々です。 地域包括からのご相談もそのような高齢者が増加しています。 

 生活保護になれる方はまだ幸せで、境界型となれば介護も医療も自己負担が生じるために、施設にも入ることはできず、場合によっては病院の入院費も払えないという状況になります。このような方々からの身元引受・身元保証人の依頼が地域包括から相談を受けるケースが増えてきています。

 このような境界型といわれる高齢者は現在何人程度おられるのか、そして今後の増加予測について検証してみました。深刻な問題です。   

まず、今後境界型「境界層」の高齢者がどの程度増えていくのかについての予測です。 次のように整理をしてみます。

1. なぜ「境界層」の人数が公表されていないのか
2.公的データから推計できる「境界層の規模感」
3. 推計:境界層高齢者はどれくらいか?
4.今後の増加予測:境界層は確実に増える
5.今後の構造変化
6.まとめ   

1.なぜ「境界層」の人数が公表されていないのか 境界層とは   
 •年金収入が生活保護基準よりわずかに高い  
 •しかし貯蓄がなく、医療・介護の自己負担が重い  
 •生活保護は受けられない という層ですが、「生活保護基準+貯蓄ゼロ」という条件での統計は国が作  
 っていないため、直接的な人数は把握できません。   


2.公的データから推計できる「境界層の規模感」 境界層の母集団となるのは、以下の層です。
(1)高齢者の低所得層の規模 内閣府「高齢社会白書」によると、 高齢者世帯の所得はその他世帯より 
   低く、生活に不安を感じる層が一定割合存在します。 また、厚労省の調査では
   •65歳以上の生活保護受給者:105万人(横ばい)
   •生活保護に至らないが低所得の高齢者は、その数倍規模と推定される(学術研究でも同様の指摘
    が多い)

(2)年金だけでは生活保護基準を下回る高齢者 国民年金満額は約6.5万円/月であり、 生活保護基準
   (単身)は地域差はあるものの 約7〜8万円前後。 → 満額でも生活保護基準に届かない。
   実際には
     • 国民年金未納・免除歴がある
     • 低年金(3〜5万円台)が多い ため、
    生活保護基準前後の高齢者は数百万人規模と推計されます

(3)貯蓄ゼロの高齢者 総務省の家計調査では、 高齢単身世帯の約3割が貯蓄ゼロ〜50万円未満とさ
   れ、 境界層の条件に合致する層が相当数存在します。   

3. 推計:境界層高齢者はどれくらいか? 公的統計を組み合わせると、次のように推計できます。
  • 65歳以上人口:3,600万人
  • 低年金(国民年金中心)層:1,000〜1,200万人
  • そのうち貯蓄が少ない層:300〜400万人
  • 生活保護受給者:105万人(除外)

  → 境界層に該当する可能性が高い高齢者は、全国で約200〜300万人規模と推計される
   (※あくまで統計の組み合わせによる推計)   

4. 今後の増加予測:境界層は確実に増える 境界層が増加する理由は以下の通り。
  (1)高齢者人口の増加 高齢化率はすでに 29.1% に達しており、今後も上昇。
  (2)国民年金世代の急増 • 非正規雇用の増加 • 厚生年金加入期間の短い層の増加
    → 低年金高齢者が今後20年で急増することが確実

  (3)単身高齢者の増加 高齢者の一人暮らしは増加傾向。
    → 生活保護に至らないが支援が必要な層が増える。
  (4)医療・介護の自己負担増 境界層にとって最も重いのが
     • 医療費1〜3割負担
     • 介護保険1〜3割負担 → 施設入居が困難になり、身元保証の相談が増える。   

5.「今後の構造変化」 地域包括からの相談増加を感じているのは、まさに全国的な構造変化の先端です。 特に
   • 病院の入院費が払えない境界層
   • 施設入居ができない境界層
   • 身元保証人がいない単身高齢者 は、今後10年で最も急増する層と予測されています。   

6. まとめ:
   境界層高齢者は「200〜300万人規模」、今後さらに増加 • 正確な統計は存在しない
   • しかし複数の公的データから推計すると 境界層高齢者は200〜300万人規模
   • 高齢化・低年金化・単身化により 今後20年でさらに増加が確実
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※ 医療機関・地域包括支援センター・介護事業者・行政担当者の皆様へ
支援行き詰まり













①「こんなケースで止まっていませんか?」制度や善意だけでは、前に進まないケースがあります。

チェック形式(YES/NO)
• ☐ 身寄りがなく、入院・入居の判断が進まない
• ☐ 保証人不在を理由に受入を断られている
• ☐ 緊急時の連絡先がなく、対応に不安がある
• ☐ 金銭管理・契約・死後対応まで見通せない
• ☐ 後見制度を使うほどではないが放置できない
※ひとつでも該当すれば、 支援の「前提条件」が不足しています。

② 私たちが担っている役割
私たちは「介護サービス」ではありません 高齢者支援が行き詰まる多くの理由は、介護や医療の問題ではなく、「生活・意思決定・責任の引受先がないこと」にあります。私たちは、医療・介護・行政が機能するための前提条件を整える役割を担っています。

③実務対応フロー 対応の流れ(実務ベース)
1. 支援困難ケースのご相談
2. 状況整理(本人・関係機関・リスク確認)
3. 必要な支援範囲の設計
4. 医療・介護・行政と連携し対応開始
5. 継続的な見守り・調整・対応

※ 初期段階で「対応できない」と判断する場合もあります
※ 無理な受任は行いません

④ 官民連携
官民の役割分担を前提としています
私たちは、行政・医療・介護の代わりをする組織ではありません。 それぞれの役割を尊重しながら、制度では担えない部分を補完する立場です。 そのため、単独での完結ではなく、常に関係機関との連携を前提に対応しています。

⑤最終
支援が止まってしまう前に、ご相談ください 「まだ問題になっていないが不安」 「判断がつかず保留している」 その段階でのご相談が、最もリスクを減らします。

支援困難ケースを相談する(初期情報のみ・守秘厳守)➡https://ll-support.jp/参照
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広がるか、ケアマネの保険外サービス 厚労省が書類作成や郵便受取、救急車同乗を「対応し得る」と整理 介護のニュースサイト Joint 2024.12.17

ケアマネジメントの課題と向き合う検討会を今年春から開催してきた厚生労働省は、これまでの議論をまとめた報告書(中間整理)を12日に公表した。【Joint編集部】   

利用者・家族のニーズに応える努力の結果として大きく広がったケアマネジャーの業務を、大きく4つに分類。法定業務の範囲を超えているものを、下表のように「保険外サービスとして対応し得る」「他機関につなぐべき」などと初めて位置付けた。  
ケアマネの業務分類 
























ケアマネの保険外サービスの議論がまとめられて、ケアマネが「保険外サービスとして対応し得る」とされる業務が整理されたようですが、従来業務に毛が生えた程度で果たしてシャドゥ・ワークが改善されるのでしょうか?   

郵便の発送・受取、書類作成・発送、代筆代読、緊急搬送の同乗が主な事例として挙げられたようです。他機関につなぐべき業務が圧倒的多数で、果たして他機関はこれを消化できるのでしょうか?他機関とは誰を指すのでしょうか?絵空事でしかないような内容かと思われます。他機関へつなぐべきとすれば、誰がどの業務を行うのかを明確にする必要があります。
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様々な身元引受事業者がでてくるなかで、多くの方々が身元引受とはどのようなサービスなのかを測りかねています。それだけ新しいビジネスであり、広範囲にわたるサービスであるため、その本質が掴めていないと感じます。     

 前にも紹介をした身元保証事業のビジネスモデル分析として、上智大学 栃本一三郎社会福祉学科教授の論文 「市場化する社会保障・社会福祉と身元保証制度からみる消費者保護の在り方についての覚書より」 が、最もこの事業を的確に分類したものとして評価をされるのではないでしょうか。

 身元保証事業のビジネスモデルはかなり確立されつつあるが、フルパッケージ型の身元引受サービスは少なく、その中心核は金銭管理であるということがあまり知られていません。     

栃本教授の調査分析により、現状の身元引受サービスのビジネスモデルのあり様が示されています。 教授は4つのタイプに事業者を分類しています。

1.独立型 
2.身元保証+生活支援型 
3.準包括パック型 
4.包括パック型 となります。       

1.独立型 身元保証人になることのみを事業       
2.身元保証+生活支援型 転院等手続きのフォロー、緊急時の病院への駆けつけ、治療方針・ケアプラン等の説明への同席、病院等への外出の付き添い、日常的な見守り、金銭管理・支払い 、代行などの生活支援を別途用意している。     
3.準包括パック型 身元保証人になることとその他の生活支援がほぼパックとなっている      
4.包括パック型・・・すべてを包括している  

この中で包括パック型は数が極端に少ないということが明らかになりました。それによって何が問題になるのか。問題はサービスが断片化してしまうということです。      
包括パック型身元引受



























包括パック型のボトルネックとなっているのは、金銭管理を通帳やキャッシュカードをお預かりするレベルで委託されていないということに尽きるでしょう。 金銭管理を行わないサービスは結局、身元引受も死後事務委任も生活支援も相続も都度実費請求をして行うか預り金をいただいておくというというようなことが必要になるため、サービスとしての一体性がなくなってしまうのです。   

包括パック型のサービスをして顧客の満足度を高めるためには相当の信用と高い運営ノウハウが必要となります。そのことを改めて感じる次第です。
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