
成年後見人制度の見直しには相当の時間がかかるように思いますが、どのようなスケジュールで進められ、その見通しについて考察をしてみます。
成年後見制度の見直しについて 現時点で明らかな「法定のスケジュール」
は次のとおりです(2026年2月時点の公開情報に基づくまとめです):
1. 2025〜2026年度にかけた法制審議会での審議
- 法務省は 成年後見制度の根本的な見直し(民法改正)を法制審議会への諮問事項 として提示し、
その審議が 2025年度(令和7年度)を中心に進められている段階です。 - 2025年6月に 「中間試案」
が取りまとめられ、
パブリック・コメント(国民からの意見公募)が 2025年8月25日まで実施されました。 - 2026年1月〜2月には、法制審の部会が 要綱案を取りまとめ、法務省に提出 しています。
つまり、2025年度のうちに要点部分の整理を終え、
2026年度(令和8年度)に向けて最終答申・法案化
という流れで進んでいます。
2. 今後の想定されるスケジュール(概略)
現時点の報道や法務省発表から整理すると、次のような流れが見込まれています:
- 2026年前半
・要綱案をもとに民法改正案の最終調整
・政務・省内調整 - 2026〜2027年(令和8年度)
・国会提出(法案として国会に上程)
・審議〜成立 - 成立後の施行時期
・公布後、施行まで数か月〜1年程度を見込む必要がある
「2026年度中に結論を出す(法案成立まで)」ことが政府・法務省の目標として示されている軸
になっています。
3. なぜこのスケジュールなのか?
政府側がこの時期を目標にしている背景には次が挙げられます:
- 高齢化と認知症増加の社会的ニーズ
→ 制度の見直しと利用促進が求められている事情。 - 第二期成年後見制度利用促進基本計画(令和8年度まで)
→ この計画の対象期間に合わせて制度見直しの方向性をまとめるという位置づけがある。
4. ただし注意すべき点
「答申・法案成立が確定した」という段階にはまだ達していません。
法制審の要綱案は法務省に提出されましたが、国会審議に入るまでには、政府内の調整・与党間調整・国会議論が必要です。
法案化〜成立〜施行までには時間差が生じるケースが多い制度改正です。
法務制度に関わる改正は国会審議が長期化する可能性があるため、
実際の施行は 2027年以降までずれ込むこともあり得ます。
まとめ(スケジュール感)
|
項目 |
進行状況・時期 |
|
中間試案・パブリックコメント |
2025年(実施済) |
|
法制審での要綱案まとまる |
2026年初頭 |
|
国会提出・審議 |
2026年度(令和8年度)以降 見込み |
|
法案成立 |
2026〜2027年のいずれか |
|
施行 |
成立後、準備期間を経て開始予定 |
補足
制度見直しは、単なる条文化だけでなく
- 家庭裁判所での運用フロー
- 任意後見との連携
- 本人意思尊重の原則
など、現場での実務ルールまで整理する必要があり、
最終の制度設計や実施時期まで決まるには数年を要する可能性が高いです。

